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2006年12月15日 (金)

いぶし銀

「華やかさには欠けるものの実力は折り紙つき」という程の意味。

銀は昔日本の主要な輸出品のひとつだった。日本の産出量が世界の相場にも大きく影響を与えたほどだという。可視光線の反射率の高さから、研磨によって素晴らしい輝きを得ることが出来る一方、常温の空気中でさえ硫化銀の皮膜を生じて黒ずんでしまう。

この「黒ずみ」の風合いが好まれることも多く、硫化物と銀を反応させて意図的に硫化銀皮膜を発生させる表面処理の技法があった。これが「いぶし銀」である。年季を感じさせる仕上げになるという。

「いぶし銀のような」という形容は、この周辺の事情を踏まえて用いられる。ほぼ100%誉め言葉側のニュアンスだ。指揮者では、ギュンター・ヴァント、ザンデルリンク、スイットナーあたりを称賛するときに多用される。カラヤンやクライバーやバーンスタインへのコメントでは、まずお目にかかったことがない。サッカーでは「守備的ミッドフィルダー」いわゆるボランチがこの言葉を奉られることが多い。もっともフォワードがいぶし銀では、決定力が不安である。またこの言葉で形容される二塁手または遊撃手がいると野球チームは強かったりする。

実は作曲家たちを表現する際にも用いられる。何を隠そうブラームスは、「いぶし銀のような」という表現を用いられる頻度において横綱格だと思う。「華やかさには欠けるものの実力は折り紙つき」という意味で全く違和感が無い。この心地よさはブラームス本人が音楽に対して求めたものと「いぶし銀」という言葉のニュアンスが、大きくズレていないことが原因と思われる。

ベートーヴェン、ブルックナー、マーラーなどの交響曲屋さんはもちろんモーツアルト、シューベルト、ショパン、ドビュッシー、ラベル、チャイコフスキー、Rシュトラウス等の「パレットに絵の具が多い系」の人々を片っ端から思い浮かべても「いぶし銀」というイメージには、はまらない。強いて言うとバッハが曲によって(ブランデンブルグ協奏曲第6番あたり)あてはまるかもしれない。「いぶし銀作曲家コンテスト」があったら、ブラームスの10連覇も可能だろう。

オーケストラを構成する楽器で言うなら当然ヴィオラである。高い音域を受け持つ楽器はほとんど脱落だ。かといってチェロでは華やか過ぎる。低けりゃいいかといってコントラバスでは、重たさが勝ってしまう。

やはりヴィオラのはまり方がダントツだが、オーボエが意外と似合っているかもしれない。のだめに恋する前、武士だった頃の黒木クンだ。「のだめカンタービレ」第7巻の48ページで千秋クンは黒木クンの演奏を「いぶし銀」と表現している。モーツアルトを吹いて「いぶし銀」を連想させるとは、並の芸当ではない。

黒木クンは只者ではないのだ。

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