FAEソナタ
12月10日の記事「意外な当たり」で「FAEソナタ」について言及した。↓
http://brahmsop123.air-nifty.com/sonata/2006/12/post_e66c.html
この作品、作品番号こそ振られていないものの、親友ヨアヒムが贈られた楽譜を大切に保存していたこともあって、真贋論争の発生する余地のない確かな地位を獲得している。
アルバート・ディートリヒ、ロベルト・シューマンというブラームスにとっては2人の先輩との合作だが、ヨアヒムは演奏してみて即座に作曲者を当てることが出来たという。作曲者的中の話題以外のコメント、特に作品の出来映えがヨアヒムの口から語られた記録はないが、おそらくヨアヒムは最年少のブラームスの才能を感じ取ったことだろう。ロベルト・シューマンにブラームスを紹介した自分の見識を再確認したと思う。我が家には何とブラームスの担当したスケルツォを含むFAEソナタ全曲のCDもあって、手軽にヨアヒム気分を味わうことが出来る。作曲当時20歳そこそこのブラームスの底力が判る。
後日シューマン自身がこの作品を完成させたが、現在それが演奏されることはほとんどない。だからFAEソナタは、事実上ブラームスが担当したスケルツォによって命脈を保っているということになる。
11月23日の記事「イ長調三重奏曲調査報告」で伝ブラームス作曲の三重奏曲についてブラダス取り込みの結果を報告した。正真正銘のブラームス作曲であるFAEソナタについてもブラダスに取り込んでみようと思う。「8分の6拍子のスケルツォ」である点、イ長調三重奏曲と似ている。何か興味深いことが判るかもしれない。
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