フーガの技法
バッハの作品目録番号BWVの最大番号1080を背負っている。対位法の集大成だ。演奏に参加する楽器が特定されていない。さらに何と言ってもこの作品を特徴付けるのは、未完であるということだ。自身の名前「BACH」のスペルに由来する主題が現れて筆が途絶えている。「1080という番号を背負った作品がバッハを象徴する主題をもって未完に終わる」というだけで襟を正したくなる厳粛さが充満している。
ブラームスはバッハを敬愛し、研究の対象とした。「フーガの技法」はまさにその研究の対象の一つであった。研究の成果はブラームス自身の作品に反映されている。チェロソナタ第1番ホ短調op38がそれだ。第1楽章はフーガの技法の中のコントラプンクトゥス第4番を借用した第一主題によって立ち上がっている。第3楽章は同13番の投影である。
1871年1月14日、つまり136年前の今日チェロソナタ第1番が初演された。
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