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2007年2月 7日 (水)

三重奏の決め事

昨日の記事と密接に関係がある。

http://brahmsop123.air-nifty.com/sonata/2007/02/post_42db.html

世の中「三重奏曲」と言えば「ピアノ三重奏曲」である。ピアノ、ヴァイオリン、チェロのこの編成は、弦楽四重奏と双璧を為す室内楽の根幹だ。古来名曲には事欠かない。この編成があまりにオーソドックスなものであるがゆえに、悪戯したい作曲家も少なくない。この編成以外の編成の曲を作りたいと思うのが人情だ。

ブラームスにも以下の通り少し変わった編成の三重奏曲がある。

  • ホルン三重奏曲op40 ピアノ、ヴァイオリン、ホルン
  • クラリネット三重奏曲op114 ピアノ、クラリネット、チェロ

ところが上記2作品ともよくよく見ると、原点たるピアノ三重奏曲の編成から1個だけ楽器を差替えたに過ぎない。チェロをホルンに代えればホルン三重奏曲だし、ヴァイオリンをクラリネットに差替えればクラリネット三重奏曲になるという訳だ。このあたり何だか慎重派のブラームスらしい。原点たるピアノ三重奏曲から総入れ替えでは、知見の蓄積が足りなくて厄介だとでも思ったのではあるまいか。代えるなら一個ずつに限ると考えていたのかもしれない。

この両者には他にも意外な共通点がある。差替えられた2種類の管楽器ホルンとクラリネットをヴィオラに持ち替えることをブラームス本人が承認していたという。クラリネット三重奏曲は自らヴィオラ版を編曲している。ホルン三重奏のホルンをヴィオラに差替えたバージョンには一定の理解を示していた一方で、チェロ版の出版を承認しなかった逸話もあるそうだ。それはもっともな話だ。クラリネットをヴァイオリンに戻したり、ホルンをチェロに戻したりしたら、単なるピアノ三重奏曲の編成に逆戻りするだけだ。それでは何のための風変わりな編成だか分らなくなるというものだ。

それにしても「アルトとヴィオラとピアノのための歌曲作品91」は上記の原則から見れば相当思い切った編成だ。ピアノ以外は入れ替えということになるからだ。風変わり度で言うならこちらが一枚上手である。

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