ミュージックエコー
中学時代に「ミュージックエコー」という雑誌を定期購読していた。毎月中学校に売りに来ていたと思う。小学校時代は「かがく」と「がくしゅう」だったので、それらに取って代わったという訳だ。毎月300円でクラシック系中心の話題と17cmのレコードが付いていた。
思えばこの本が読みたいと親に言って、それが認められたことが私のクラシック音楽の土壌になったと考えられる。昨日の記事「エコー」を書いていて思い出した。音楽の先生に申込みに行くと先生から「あら、いいわねぇ」と言われた。家に帰って親に伝えると「まさか3000円じゃあないだろうな」と慌てていた。間違いなく300円だった。それでもクラス40人少々でその本を購読している生徒は数える程だった。先生の「いいわねぇ」はその意味だった。
中学入学の年の5月から卒業まで購読していたと思う。これでクラシックの基礎的なレパートリーを作曲家が変に偏ることなく聴くことが出来た。最初に手にした付録は忘れもしないリストのピアノ協奏曲だった。今思うと何でまたという微妙な選曲だが、当時はただ聴いた。シングルレコードだからあまり長い曲は入らない。ベートーベンの第九交響曲は第4楽章だけだった。記憶があやふやなのだが、ブラームスは一度もなかったような気がする。あっても過敏に反応しなかっただけかもしれない。
かくして300円で音楽の教師からうらやましがられた甲斐あって、こんな大人が出来上がったという訳である。
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