敵に塩を送る
戦国時代。甲斐の国今の山梨県の武田信玄は塩の供給を他国に依存していた。海が無い内陸国としては致し方ない。駿河の今川や相模の北条は、ある時甲斐の国への塩の販売を禁じた。これを見た越後の上杉謙信が甲斐に塩を送ったという故事にちなむ。ライバルを助けるという行為のことを指す。
今風に申せば、今川・北条の禁輸により甲斐の国で塩の値段が上がるのを見越した単なる商売上手という見方もあろう。しかしこの話は謙信の義理堅さや男気を強調するニュアンスで語られることが多い。謙信はライバルだった武田信玄や北条氏康からもその義理堅さを激賞されている。信玄に至っては、息子の勝頼に「いざとなったら謙信を頼れ」とまで言っているらしい。日ごろの行いがいいから、単なる商売上手の話が、美談として後世に伝わるのだ。
謙信のストイックさ、義理堅さは何だかブラームスっぽいのだ。生涯独身以外でも何だか似ている気がする。養子の景勝といい、宰相・直江兼続といい上杉氏の周辺には、剛毅と実直をバランス良く備えた人材が多い。
長女のバドミントンが2年目に入った。ヴァイオリンのライバルだというのに娘の願いに応じて2本目のラケットを買ってやった。ラケットに張るガットにもこだわりが出る。弦楽器と同様にストリングスと呼ばれて機能性能によって数種類が用意されている。打感、打音、耐久性など性能が微妙に違う上に、どの程度の張力で張るかによっても使い勝手が変わるらしい。弦楽器そっくりである。さらに弦楽器に無い特徴として色がある。1年坊主だった時は、白一色という禁欲を貫いたが、2年になると色つきが許されるということなのだ。
2万円で2千円お釣りが来ない。
敵に塩を送ったようなものだ。ヴァイオリン対バドミントンの小競り合いが続くが、バドミントン側に対する経済制裁は逆効果だ。ここは太っ腹なところを見せねばならない。
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コメント
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<魔女見習い様
水道管は同じで、どの蛇口から水を出すかの違いでございます。
投稿: アルトのパパ | 2007年5月13日 (日) 06時59分
いろいろな意味で相乗効果もありそうです。
塩加減もよろしいようで。。♪
投稿: 魔女見習い | 2007年5月13日 (日) 06時45分