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2007年5月18日 (金)

古楽器

古楽器の厳密な定義など私の手には余る。大雑把な意識としてはバロック期の楽器のこと。あるいは、量産楽器出現以前の楽器のことかもしれない。

昨今古楽器による演奏が隆盛している。クラシック音楽とは別世界を形成している感じさえする。作品が作曲された「当時の楽器」で演奏するという考証主義的な側面も色濃く感じ取れる。留意しておかねばならないのは作曲された当時の楽器といっても、製法材質を忠実に再現したレプリカであることが多い。弦楽器で言えば弦などの消耗品は当時のものではあり得ないだろう。極端な話、誤った時代考証に基づいた「誤った古楽器」も理論上は存在し得る。

そうした楽器を用いて厳密に考証された「当時の奏法」が採用される。アーティキュレーション、ヴィブラート等の解釈に至るまで考証される。

古楽器の演奏会で「当時の再現」が施される範囲には、何か決まりがあるのだろうか?全部が全部作曲当時のものかというと実はそうでもない。楽譜は当時の楽譜ということはない。作曲当時あったハズもない複写機を使った楽譜も使われているかもしれない。もちろんホールも現代のホールだ。指揮者を含めた演奏家たちも断るまでもなく現代人である。断るまでもないと言えば聴衆も現代人である。演奏会での曲目やその配列、あるいは休憩時間の入れ方、ポスターも現代のセンスの反映であることが多い。もちろん入場料も現代の水準である。厳密な時代考証から楽器はレプリカを用い、解釈と奏法も考証結果に基づき当時のものを採用して、現代のホールで現代人が、現代人に現代の料金水準で聴かせる演奏会という姿がおぼろげに浮かび上がる。もちろん録音されてCDが発売されるというのも現代の風習にのっとっている。音楽は録音などされずに発するそばから消えてしまうことが当たり前の時代の音楽でさえ録音される。録音用のマイクが設置されるという一点については、「当時の再現」とは呼べない。

このあたりの定義がありそうでない。あるいはあるなら知りたい。

定義と言えば対象とする作曲家はいったい誰あたりまでなんだろう。楽器というものは常に進歩している。進歩の幅は小さくても常にである。厳密に言えばマーラーの時代と現代を比べたとしても進歩しているのだろう。けれどもマーラーの作品を作曲当時の楽器で演奏するというコンセプトは現実的ではない。

はたして作曲家は将来の楽器の進歩をどのように考えていたのだろう。進歩したなりの楽器を用いて演奏する時点での解釈で演奏されることを許容したのか、自分が作曲した当時の楽器、奏法、解釈で演奏されることを望んでいたのか、はたまた無頓着だったのか大変に興味深い。

ブラームスはピアノに関しては、楽器の最新のメカニズムを利用することをためらわなかったと言われている。一方ホルンやトランペットでは最新のメカには距離を置く立場だった。制約を背負いながら音質を取るような節がある。弦楽器とて弦の材質・加工技術・張力などブラームスの当時とは様変わりである。

ブラームスに折り入って訊いてみたいことの一つである。

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コメント

<魔女見習い様

おおお!時代はレプリカでの再現が難しいですね。

古楽器の周辺にはこうした定義の甘さが多いような気がしています。
定義が甘いとガマン出来ない性格なモンで。

<とらねこ様

そうですねェ。古楽器のことは訊いてみたいですね。アンサンブルはちょっと恐れ多いです。

なんだかジュラシックパークみたいですね。当時の再現と言っても半端なやり方だと、しっぺ返しがありそうです。

代物は、レプリカで見かけだけは整えることができますが、
時代は、レプリカにもすることができないのでしょうね。

タイムトラベルの魔法を習得したい。。♪

私も、特に昨今流行の'現代の楽器によるピリオド奏法'というものに少々疑問を感じます。現代の大型ホールでのコンサートに何の意味があるのかな、と。タイムスリップをして当時の実演に接することが出来たなら・・・。ブラームスとアンサンブル出来たなら・・・。大きな夢でございますね!

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