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2007年6月 8日 (金)

心の支え

大学入学と同時に入団したオーケストラは、私の人格形成に大きく影響した。大学卒業後結婚までの9年間いや正確には長男誕生までの10年間私を支えたのはオーケストラ活動の記憶である。一つだけ象徴をあげるとするならば、大学4年の冬、学生生活最後の演奏会で演奏したマーラーの第五交響曲の演奏がその10年間の心の支えであった。「メンツ」「曲」「気合い」が高い次元で揃っていた。「のだめ」風にいうなら「R☆Sオケ」状態だ。今もこのときの演奏は仲間内の語り草であり、唯一鑑賞に足りる学生時代の記憶である。ブラームスでないのが悔しいけれど認めざるを得ない。

その後私を支えたのは、紛れもなく子供たちだ。長男誕生から4年も経ぬ間に続けて授かった娘たちを含めた3人の子供たちがいなかったら、生活も性格も破綻していたに違いない。長女に「あるま」と名付けてしまったことは象徴的である。「あるま」は申すまでもなくグスタフ・マーラーの妻の名前に由来している。

ずっとブラームスを好きであることは継続していたが、実はそれどころではなかった。子供たち中心で回ってきた生活にゆとりが出来はじめたのは、次女の小学校入学の頃からだ。「ブラームスの辞書」を書きたいという最初の欲求が頭をもたげたのは次女が小学校2年の冬である。

私にとってこの先も子供たちが心の支えであることは変わることがないとは思うが、子供たちのほうは私から離れて行くだろう。その時に子供たちに代わる心の支えを自ら探さねばならない。子供たちが独立し、会社を定年退職して気が付いたら何も支えが無かったというのは相当危ないと思う。

一昨年の夏、はじめての自費出版本「ブラームスの辞書」を刊行した。それに先立つこと1ヶ月少々でブログ「ブラームスの辞書」も立ち上げた。今にして思えばこれはヒットであった。38年の会社生活のうち15年を残したタイミングだということに大きな意味があると思う。サッカーで言えば、後半には入ったがまだまだ何が起きるか判らぬ時間帯。0対2で負けていても諦めるのは早い時間帯だ。

ブラームスは、子供たちに次ぐ心の支えになった。一生を託すに足る支えが見つかったような手応えをここ2年で感じている。望みさえすれば会社生活はまだ10年以上残しているこの段階だという意義は大きい。定年と同時に決意していたらブラダスの作成や執筆は、相当難儀だったと思う。

子供たちと違いブラームスは、就職も結婚も親離れもしない。私が望めばずっと私のそばにいる。

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コメント

<魔女見習い様

ありがとうございます。

音楽はお得です。

曲を聴いて感動し、弾いて感動する他に、その楽譜を見てまた感心させられます。

3度おいしいですから。

ブラームスは逃げませんし、おっしゃる通り、
こちらが望みさえすれば、ずっとそばにいてくれますね。。
3人のお子様方中心に回っていた生活は、
私など想像できないくらい大変だったと思います。
でも、大変だったからこそ、よかったのでしょうね。
お幸せですよ。

ブラームスの音楽に注目する人は多いですが、
ブラームスの楽譜に注目する人は希少だわ。
ブラームスの方から近づいてきそう。。♪

<もこ様

たはは。少し大袈裟に書き過ぎたかもしれませぬ。

我が子3人と対等ということは、私にとってブラームスは相当に高い位置付けにあるということです。

突き詰めてしまうと彼は、楽譜を残したに過ぎないのだけれど。。。。

とても素敵な日記でした。
芸術の中に身を置くことの出来る人は、この世で一番幸せなんだよ。。っと
親友から言われたことがあります。今頃その意味が分かった気がします。

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