4B
バッハ、ベートーヴェン、ブラームスの3大Bにビートルズを加えたという訳ではない。
楽器の練習中に楽譜に書き込みをすることが多々ある。このときの鉛筆は断固濃い目に限るという話だ。練習中に気付いたことをサクサクと書き込むためには楽器を構えたまま、弓も持ったままということが多い。当然右手一本で楽譜に書き込むのだが、思うように力が入らないことが多い。力が上手く入らなくても濃くはっきりと書くには濃い目の鉛筆がいいというわけだ。我が家では今4Bを使っている。長女が小学校3年の時の書写の時間のために買った「特選書写用4B」が今も活躍中だ。
鉛筆の芯の固さはJIS規格に定められているようだ。Bが6段階とHが9段階の15種にHBとFが加わっての17種だ。Bは「Black」であって「Brahms」の略ではない。(念のため)
Hは「Hard」でFは「Firm」である。7B、8B、9Bもあるらしい。こうなると4Bも影が薄い。
鉛筆の始まりは16世紀の中ごろ、黒鉛の発見とともに発生したらしい。鉛筆がまだ一般に普及していなかった時代でも音楽家は鉛筆を愛用していたという。古来から楽譜への書き込みは鉛筆と相場が決まっていたようだ。コミック「のだめカンタービレ」の中でも、レンタル楽譜に記入された書き込みを千秋が消すシーンがあった。第14巻107ページ以下である。これらの書き込みに鉛筆が使われていたことは間違いない。最後のコマは半泣きのテオくんが巨大消しゴムを捧げて懇願の場面になっているからだ。相当大量の楽譜を差し出されたのだろう。ボウイング消しは延々と続くのだ。ヤキトリオの揉め事が4ページ分差し込まれることで時間の経過が暗示され、夜が更けてもなお次々と「仕事」を依頼される。注目すべきは消しゴムのカスだ。114ページ最後のコマには消しゴムのカスの山が描かれる。そしてさすが「のだめ」というシーンが115ページ最初のコマだ。楽譜の横にコロリと丸い物体が描かれている。これが消しゴムなのだ。107ページで半泣きのテオくんが持っていた消しゴムとの大きさを比較して欲しい。相変わらずだが、芸が細かい。
ブラームスも当然鉛筆を愛用していたと考えていいのだろう。
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コメント
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<麻由子様
ありがとうございます。
消しゴムのカスは、コレクションの対象にする子もいました。
投稿: アルトのパパ | 2007年6月12日 (火) 05時32分
さ~すが「ブラームスの辞書」!
とても楽しく、かつ、感心して読ませていただきました。
>注目すべきは消しゴムのカスだ。
ここで、思わず「ハイ!」と返事をしたくなりましたヨ。(笑)
コミックを取り出して、該当ページを見てしまいました。。☆
私が使っている鉛筆は、Bか2B。
やはり息子の小学校低学年の頃の名残です。
それプラスお役立ちなのが、色えんぴつ。
私の場合、できるだけ一目で楽譜を把握できるように、
自分なりのルールを設けて、何色か使い分けています。
苦労した楽譜ほど、カラフルです。。
投稿: 麻由子 | 2007年6月11日 (月) 23時29分