差別化
他との違いをアピールすること。マーケティング上有効とされている。これには2つの系統があるらしい。一つは「この商品には他にない有効性がありますよ」ということ。「機能が良い」「機能が多い」「価格が安い」「価格が高い」などなど正攻法という意味ではマーケティングの基本中の基本だ。現実には、「実際には際立った有効性など無いのにあると思わせる」という一段高度な技術も存在する。ブランドイメージ、CMに起用するタレントなど、あの手この手の組み合わせによって差別化が図られている。
消費者に対して「あなただけよ」と思わせる手法も別の意味で「差別化」と称される。大量生産大量販売の商品では実現しにくいとも思われるが、購買心理への効果という意味では侮れない。
ブログ「ブラームスの辞書」や書籍「ブラームスの辞書」にも小さな差別化が試みられている。以下の3つの項目が極端に少ないことだ。
- 作品解説
- コンサートレビュウ
- おすすめCD
逆に言うと世の中のサイトや書物にはこれらの項目が数多く含まれている。私のような後発者としては、そうした激戦区は避けるのが賢明だという訳である。問題はこれらの項目を避けて、なおかつボリュームある本になるかという点だ。著書「ブラームスの辞書」はA5判400ページ、約36万字の本だ。予算の関係で書きたい記事を削りに削った上に譜例も泣く泣く最小限に止めた。いわゆる「市場の隙間」あるいは「市場の空白」を狙ったつもりである。
もう片方の「あなただけよ」型の差別化も試みている。少部数の自費出版本だけに、こちらのほうが大切だ。本一冊毎に通し番号を付与した。作品番号の持つイメージを利用するという差別化だ。どの番号かにこだわる向きには効果的だ。
ブログ「ブラームスの辞書」も著書と同様のことが言える。「作品解説」「コンサートレビュウ」「お薦めCD」の情報を求めてたどりついた人たちをがっかりさせていることは間違いない。
世の中差別化を狙うあまり、単なる珍商品に堕してしまうケースも少なくないという。ヒット商品との紙一重の差は大きくて重い。
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