似て非なるもの
ブログ「ブラームスの辞書」開設の最大の目的は、「初めての自費出版本『ブラームスの辞書』の宣伝と普及」である。売り上げからコストを回収せねばならない商業出版の書籍と目指すところは何等変わらない。「ブラームスの辞書」の存在を知って欲しいし、買って欲しいのである。ブログ記事の毎日アップを長く続けているうちに、若干ニュアンスが変わっても来ているが、本質は動かない。「『ブラームスの辞書』の宣伝と普及」である。
注意をしておきたいのは、「ブラームスの宣伝と普及」ではないということだ。「ブラームスの作品は、こんなに素敵なンですよ」「さあ読者の皆さん、もっとブラームスを聴きましょう」あるいは「ブラームスを愛する人が少しでも増えてくれれば」などとは、爪の先ほども思っていないことを、告白せねばならない。私がそんなことをしなくてもブラームスには十分な愛好家がいる。「『ブラームスの辞書』の宣伝と普及」と「ブラームスの宣伝と普及」は、言葉としての違いはわずかだが、意味合いはかなり違う。
そもそも著書「ブラームスの辞書」は、頭の中に毎日去来するブラームスへの思いを、忘れないための備忘録という色彩が強い。何かに書いておかないと忘れてしまうから、書いたという感覚が強い。あるいは言っておかねば先に言われてしまうからという危機感も少々混じってはいるものの、「ブラームスの宣伝と普及」はどなたかに任せて、自分はブラームスに没頭したいだけなのだ。
本が売れれば嬉しいのだが、「そうそう売れるものではあるまい」とさめている別の自分が、今この記事を書いている。
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