カッコいい
娘たちと話が合わない。「カッコいい」という言葉の定義がズレていると感じている。無理もないことではある。私自身の中でも若い頃と比べると使う場面が変わっている。小さい頃は「自動車」や「飛行機」がカッコよかった。テレビで言えばウルトラマンやサンダーバードだ。源義経、織田信長やスポーツ選手たちがカッコいいの対象だった。高校生の長男の考えていることはこの延長で理解が出来る。サッカーのスルーパスがカッコいいと言っている。車も好きだ。次の展開が予想出来る。
中学生の娘が、ブラームスのヴァイオリンソナタをサクッと弾きこなしたら相当カッコいいと思っているのだが、本人は「どこがカッコいいの?」といった調子である。ヴァイオリンを習わせて6年以上がたち、良ければその都度誉め、悪ければタイミングを見て注意することを重ねてきた。その基準はある意味で「どうすれば音楽的にカッコいいか」である。
たとえば音程が合う方がカッコいい。リズムはキリリキビキビがいい。待ちきれずに飛び出してはならない音がある。休符を軽く見るな。等々である。速い音階の美しい駆け上がり方だったり、重音のきれいな鳴らし方だったりもした。音楽の周辺アインザッツの合わせ方、息の吸い方、お辞儀の仕方までをも含むのだ。楽譜通り間違えずに弾けることの他にもカッコよくする方法はたくさんある。
楽典や音楽の教科書には載っていないカッコいい所作というのを教えたいのだが、どうもすれ違ってしまう。
彼女らにとって「カッコいい」は、「カッコいい男子」「カッコいいバッグ」「カッコいいメモ帳」「カッコいい靴」という使い方がメインだ。
前途多難である。
<もこ様
娘らは文房具命ですよ。勉強の能率に影響すると本気で言ってます。
そのくらい音楽に取り組んでくれたらどんなに素晴らしいか。
投稿: アルトのパパ | 2007年7月 9日 (月) 16時00分
カッコいいメモ帳って? 。。ふふ、と笑ってしまいました。
投稿: もこ | 2007年7月 9日 (月) 07時41分