軽い日照り
いよいよ焼きが回ったかと思われるようなタイトルである。
何ということは無いのだが、気になって仕方のないことって誰にでもあると思う。本日はそうした話題の一つである。ブラームス作品の楽曲冒頭の調性を調べるとト長調が少ないことにすぐ気付くはずだ。シャープ側フラット側とも5個を超えると少なくなるのは納得が行くのだが、ト長調といえばシャープ系においてはハ長調のすぐ隣なのだ。全599作のうちト長調で立ち上がるのは23曲だ。13位に相当する。長調だけに絞っても7位に過ぎない。シャープ2個、3個、4個を要する長調よりも1個で済んでしまうト長調の方が少ないのだ。
ハ長調だって同様だ。しかしハ長調はイ短調が短調中最大の勢力なので、調号別だと下位には沈まない。シャープ一個系は短調側のホ短調も多いとは言えず、シャープ一個は調号別でもエアポケットになってしまっている感じだ。
主音別に目を移してもト短調はやや薄いため、白鍵で始まる7種の調のうちト調はかろうじてロ調を上回るだけの6位なのだ。
どうもト調は、「日照り気味」だ。少し避けられていたかもしれないのだ。
ところがである。作品番号無しの作品である民謡に目を移すと状況は一変する。全92曲のうちト長調は25%を占めるダントツの一位になっているのだ。作品番号付きの歌曲ではト長調は3.4%に過ぎず民謡におけるト長調の突出は異様である。
単にそれだけのことなのだが。
本日この記事の更新で、ブログ開設以来800日連続の更新となった。
私自身は魚の骨がノドにつかえたような感覚なので、
こちらのコメントのスレッドを長くしてしまい、
申し訳ございません。
ブラダスデータの統計上のことは事実でしょう。
すべてはブラームスの視点から。
意図されたことであるのかどうかは、ロマンですね☆
ペルチャッハでの避暑に憧れます~♪
投稿: 魔女見習い | 2007年8月12日 (日) 15時38分
<魔女見習い様
恐れ入ります。
「偶然以上」ということは、つまり「偶然」の可能性もあるということでもあります。
素人の申すこと故、鵜呑みは禁物でございます。
投稿: アルトのパパ | 2007年8月12日 (日) 06時28分
>偶然以上の意味があるかもしれません。
興味深いですね☆
>絶対量が少ないとお考え下さい。
お~、なるほど~。よくわかりました。
ありがとうございます。
>ハ長調に近くて割と扱い易い調の割には少ないという側面もあります。
割と扱い易い調 ≠ 作品数の多さ ・・ ですね。。
やはり興味深いです。
投稿: 魔女見習い | 2007年8月11日 (土) 17時44分
<魔女見習い様
楽曲冒頭に採用される調性の比率としてト長調の少なさには偶然以上の意味があるかもしれません。
管弦楽にト長調はありませんが、個別の楽章ではト長調も存在します。
室内楽にも歌曲にも満遍なく分布しますが、絶対量が少ないとお考え下さい。
ハ長調に近くて割と扱い易い調の割には少ないという側面もあります。
投稿: アルトのパパ | 2007年8月11日 (土) 10時19分
ブラームス作品全体的に、ト長調が少ないのですね?
ト長調で立ち上がる楽曲の場合、どんな楽器が多いのでしょう?
歌曲も含まれますか?
毎日興味深い記事を楽しませていただいております。
ありがとうございます。
投稿: 魔女見習い | 2007年8月11日 (土) 07時58分
<ひふみ様
ありがとうございます。
ぜったいに読むほうが大変ですよ。断言します。
書くのは全く苦になりません。
投稿: アルトのパパ | 2007年8月 8日 (水) 18時02分
>ブログ開設以来800日連続の更新
おめでとうございます♪
本当に頭がさがりますよ。
毎日読ませて頂くだけでも大変(笑)なのに、
書き続けるって凄いことですよね。
まあ、アルトのパパさんを実際に知っている私としましては、
さもありなん、ですがね。
これからも頑張ってください、って言う必要もないですね。
投稿: ひふみ | 2007年8月 8日 (水) 12時18分