演奏効果
主に作品を解説する文章に現われて「演奏効果が上がる」「演奏効果が高い」等の使われ方をされている言葉だ。使われ方から類推して、「弾き映え」「聴き映え」の意味とも取れるが難解。ブラームスの作品は得てして「演奏効果が上がらない」「演奏効果に乏しい」「演奏効果が低い」と評されることが多い。
演奏家に要求するテクニックの難易度の割に、演奏を聴いた聴衆にはテクニックがあるように聞えないというニュアンスを濃厚に含む。「難しい割にそう聞こえない」ことを歓迎しない人々がいるということの裏返しだろう。聴衆に演奏者のテクが効率的に伝わらない作品が多いと言うことなのだ。少なくともブラームスの作品は一部にそう思われているということに他ならない。逆に「演奏効果が高い曲」というのは、大したテクもないのに上手に聞こえる曲という極論も透けて見える。「演奏効果が上がらない」ことを理由にプログラムへの取り上げをためらうという層は少なくないと思われる。作品の本質とは全く関係がないが、苦労して練習したのだから上手だと思われたいということなのだ。
「演奏効果」という言葉がこの意味で使われる限り、ブラームスは自作が「演奏効果が上がらない」と評価されることを喜ぶだろう。音楽作品は演奏家のテクニックの披露のためのツールではないと信じる立場の代表がブラームスだからだ。演奏のテクニックは作品が要求した場合にはじめて必要かつ最小の量を披露するものであって、テクの披露が演奏の目的になることを断固拒否する立場だ。
そうした性格をもったブラームスの作品を演奏してなお、上手と思わせるのが本当のテクニックなのかもしれない。
<麻由子様
おおおお!
私もこのようなブラームスが好きでブログをやっています。
投稿: アルトのパパ | 2007年9月 4日 (火) 05時13分
このようなブラームス。。好きです♪
投稿: 麻由子 | 2007年9月 3日 (月) 22時10分