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2007年9月12日 (水)

三連符

基準の単位を3等分した音符。基準の単位とは様々だ。1拍だったり音符1個だったり、小節1個だったりする。小中学校の音楽の時間で学習する体系は2の倍数個に等分されてゆく音符が基本だから、三連符はそれらとはリズム的な衝突を引き起こす。作曲家たちはみな、そのことを知っている。ブルックナーの交響曲にはしばしばそれがモチーフとして現われ、「ブルックナー三連符」という異名も奉られているという。

ヘミオラ好きなブラームスもしばしば三連符を巧妙に用いている。「ブラームスの辞書」でもさすがにブラームスの三連符の全用例を列挙するには至っていない。マッコークルをでさえ不可能だろう。せめてブログ「ブラームスの辞書」で印象的な三連符の用例を挙げるにとどめたい。

  1. 交響曲第2番第3楽章4小節目および6小節目のオーボエ。第3楽章を率いるオーボエの旋律の中に現れる。チェロのチャーミングなピチカートに乗ってオーボエが軽いノリでサクサクと進んで行く。振り子を思わせる心地よいリズムは、4小節目と6小節目の3拍目の三連符によって要所を押さえられている。放置するとダラダラと流れかねない旋律が、この三連符によってキュッと締まる。ブラームスもこの三連符を大切と考えていた証拠に、この三連符の瞬間だけ、チェロのピチカートが動きを止める。
  2. 弦楽四重奏曲第3番第1楽章316~317小節目のヴィオラとチェロ。第1楽章も大詰め、312小節目からヴァイオリンは8分の6拍子、ヴィオラとチェロは4分の2拍子があてがわれ、リズム的衝突が意図的に作り出された中で起きる。この瞬間ヴィオラとチェロは4分の2拍子の1小節を3つに割るのだ。4分音符3つを束ねる形の「3」という文字が美しい。同じく322~323小節目のヴァイオリンは同様の音型でありながら、8分の6拍子に配慮して「3」の文字は出現しない。このあたり醍醐味である。
  3. チェロソナタ第1番第2楽章103小節目のチェロ。トリオに入ると8分音符の連続で旋律が構成されている。4分の3拍子を背負っていながら、感情の頂点付近で4分音符2個一組のフレージングに変わって音楽を先へ先へと急き立てる。煽りがあまりに急なので、音楽がまさに決壊する直前に、踏ん張りの利いた三連符が出現して煽りをなだめるという寸法だ。

最後にとっておきの場所。私の宝物だ。ピアノ四重奏曲第2番第2楽章70小節目のピアノである。66小節目から弦楽器の控え目な伴奏に乗ってピアノは8分音符の連続からなる旋律を「p espressivo」で奏でている。右手と左手の仲むつまじいオクターブの旋律だけで十分美しいのだが、問題の70小節目の3拍目から三連符にすり替わるのだ。この変わる瞬間が何にも代え難い宝だ。

このところアクセス系のネタではしゃいでしまったので、現実に目を向ける意味でもガッツリのオタクネタをかましておくことにする。夢を見た後は足下を固めておかねばならない。

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コメント

<インテルメッツォ様

そうでしたか!!

演奏効果の面での単なるリズム的実験にとどまらずに、深く継ぎ目無く芸術と融合している点が素敵ですね。

確かにブラームスの曲において2連と3連の区別は厳格ですね。

私のVnの師匠は、この区別についてとても重要視されていまして、曲を初めてさらうときから、特に意識するようにアドバイスされてきました。

こうすることにより、練習の初期段階で、強弱記号、曲想指示を入れずに弾いても、ブラームスの言いたかったことが見えてくるのだそうで、私も妙に納得させられています。

<mayoneko様

おおお。たしかに。ヘミオラは神秘的です。呪文というよりは少しだけエレガントかもしれません。

ヘミオラ・・・私はかつてこの言葉の意味を知りませんでした。
今でも何かの呪文のように聴こえます・・・。

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