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2007年9月27日 (木)

レレシシ

9月16日の記事「完全平方数」では、ブラームス作品における平方数へのこだわりについて言及した。おかしなタイトルだが、本日はその続きだ。

初期のピアノ作品「4つのバラード」作品10がある。「4つの」という時点で既に怪しい。「2×2」を連想するが、ここはひとまず作品概要を記す。

  • 1番:ニ短調、Andante、4分の4拍子。
  • 2番:ニ長調、Andante、4分の4拍子。
  • 3番:ロ短調、Allegro、8分の6拍子。
  • 4番:ロ長調、Andante con moto、4分の3拍子。

1番から4番の順に調を並べると「レレシシ」つまり本日の記事のタイトルになる。おまけに長調2曲と短調2曲というバランスだ。4曲が2×2の答えであることを裏付ける。バラードが4曲一組とした根拠が透けて見える。

ニ短調→ニ長調(同主調)→ロ短調(平行調)→ロ長調(同主調)という調の推移にも破綻のない論理性に貫かれている。論理的に破綻の無い近親調の範囲での選択を重ねながら、終着点のロ長調は、起点のニ短調からはもっとも遠い調になっている。本年6月24日の記事「真裏の調」で述べた通りだ。ニ短調の主和音「DFA」はロ長調のそれ「HDisFis」とは一つの重複もない。

シンメトリーでロジカルな調性の配置を指向する一方で、1番にはスコットランドの詩「エドワード」の内容をトレースするという標題性をも狙っている。3曲のピアノソナタの緩徐楽章とも通ずる標題性だ。

標題音楽に走りかねない気配も濃厚だ。絶対音楽にとどまるか標題音楽に走るか思案のしどころだったのではあるまいか。「4つのバラード」作品10はロベルト・シューマン生前の最後の出版作品だ。その後作品11の「管弦楽のためのセレナーデ第1番」の出版まで5年以上の空白があった。物を考えるには十分な時間である。

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コメント

<もこ様

毎度毎度のこじつけでございます。

話半分にしておいて下さいませ。

数学的なお話を聞くと
ベールに包まれた神秘の世界に迷い込んだような錯覚になります。

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