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2007年9月18日 (火)

ピツィカート

「pizzicato」と綴られるイタリア語。弦楽器の奏法の一つ。弓で弦をこすって発音する通常の奏法に対して、指で弦を弾いて発音すること。楽譜上ではいつも「pizz」と略記される。何も記載が無い場合は通常奏法「arco」を意味するので「pizz」が「arco」に対して従属的な位置だと判る。

ブラームスの作品にもたくさんの「pizz」が出現する。このうち印象深い場所を以下に列挙する。

  1. チェロソナタ第2番第2楽章冒頭この場所をはずしてはいけない。ブラームス中もっとも目立つ「pizz」だと思われる。合計13回の「pizz」で鳴らされる「pizzの聖地」である。
  2. 交響曲第1番第4楽章6小節目から6小節間、および16小節目から4小節間クララへの誕生祝いのホルンの旋律に先んじる混沌の中である。
  3. 交響曲第2番第3楽章冒頭。ノーブルなオーボエの旋律を支えるチェロだ。この楽章の持つ突き詰めないユーモアの象徴とさえ位置付け得る。
  4. 交響曲第1番第4楽章。47小節目。トロンボーンの至高のコラールの冒頭に、密かに重ねられている全弦楽器だ。直前までスラー付き移弦のトレモロで空気になっていた弦楽器が、突然pizzに転ずる。「p dolce」があてられたトロンボーンの発音とシンクロさせねばならないが、ここをpizzでと思いつくブラームスの発想まで鑑賞の対象である。
  5. ピアノ四重奏曲第3番第1楽章28小節のヴィオラ、29小節のヴァイオリン。両者ともオクターブ上昇のpizz2個なのだが、ビッグバンの引き金になっている。なんだか知らぬが緊張度の高さだけならトップクラスである。
  6. 交響曲第4番第2楽章5小節目。冒頭ホルンの信号を受けて滑り出すクラリネットに寄り添う全弦楽器である。この場所では全弦楽器なのだが、64小節目からの再現部ではヴィオラだけ、pizzに転じることなく主旋律を担当する。
  7. 交響曲第4番第4楽章9小節目。冒頭から8小節かけて第一主題の提示が終わった後を受ける全弦楽器だ。4分の3拍子の2拍目を強調してシャコンヌであることを鮮やかに印象付ける。
  8. 弦楽六重奏曲第1番第1楽章387小節目。楽章も終盤近く、「poco piu moderato」を合図に始まるレントラーが第2チェロを除く弦楽器のpizzになっている。最後の3拍でarcoに復帰するのも効果的である。
  9. ヴァイオリン協奏曲第1楽章206小節目のコントラバス。第2主題を下から支える屋台骨だ。独奏楽器の奏する旋律は事実上2分の3拍子を志向する中、コントラバスのpizzだけが頑固に4分の3拍子を守り続け、この場所がブラームスお得意のヘミオラであることをアピールしている。
  10. チェロソナタ第2番第4楽章128小節目。第一主題がpizzで奏でられる。しかしこの場所の本当の狙いは134小節目でarcoに復帰する際の音色の落差だろうと思われる。

10箇所ではとても足りない。以下番外には順位はつかない。

  • 第4交響曲の第3楽章の167小節目。
  • 第4交響曲の第1楽章245小節目のチェロ。
  • 第1交響曲第1楽章36小節目のチェロ。
  • ピアノ四重奏曲第1番第1楽章362小節目。
  • 第3交響曲第1楽章31小節目のコントラバスとチェロ。

arcoで弾かせるかpizzで弾かせるかのブラームスの脳内基準は未だに全貌を把握できていない。

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コメント

<インテルメッツォ様

確かにコンチェルトの独奏ヴァイオリンにはピツィカートは出ません。第1交響曲第2楽章のコンサートマスターのソロも同じです。

ヴァイオリンパートにもピツィカートを要求していますので、「避けていた」と申すには別途証拠も必要かと存じます。

反対の事例として

・Vn協奏曲のsolo
・二重協奏曲のVn solo

には全く出てきませんね。Vn第3ソナタの第3楽章のpizzも、誰かの(誰かは忘れてしまいました。すみません)アドバイスを入れてやっと取り入れたものとの事。私は、ブラームスが意図してVnのpizzを避けていたのではと勘繰っています。

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