ジュラシックパーク
洋の東西を問わず人々は恐竜が大好きと見えて恐竜が登場する映画は多い。本日話題の「ジュラシックパーク」はその代表格だ。
琥珀の中に閉じこめられた吸血性の昆虫の遺骸に恐竜の血液が保存されている可能性が着想の原点だ。そこから恐竜一体分のDNAを入手して数千万年前に滅んだ恐竜を現代に蘇らせて、テーマパークを建設してしまおうという発想だ。空想と現実の境目が巧妙にぼかされている原作の描写は、見事なものだ。そのうえ目を見張るようなCGが圧倒的な説得力を発揮する。
残念ながらブラームスの血を吸った蚊の遺体をどこかから探し出して、ブラームス本人を復元しようというオチではない。本人に訊きたいことは山ほどあるのでそれはそれで興味深い。どうせなら遺伝子操作をして日本語を理解するブラームスを復元したいものだ。
「琥珀の中に完全保存された蚊の遺骸の中の血液からDNAを復元する」というアイデアが映画全体の肝になっている。このあたりのもっともらしさが本作のリアリティを高めている。技術的科学的な根拠は別として、世間が「なるほど、ありそうだ」と思うかどうかがSFとして成功するかどうかの分かれ目なのだ。
「ブラームスの辞書」は本もブログもある意味で「ジュラシックパーク」を目指したいと思っている。楽譜に封じ込められたブラームスの発想の復元が狙いなのだ。楽譜は「琥珀に閉じこめられた蚊」である。生物学者がそこからDNAを入手するように、私は楽譜からブラームスの思いを解き明かしたいのだ。
いつかブラシックパークを作ってみたい。
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