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2007年10月29日 (月)

主題提示の隠蔽

おかしな用語だ。もちろん私の造語である。「主題再現部の隠蔽」であれば、少々詳しいブラームス関連本では言及されている。主題の再現を意図的にぼかすというブラームスの手法のことを指している。

それに対して本日のお題「主題提示の隠蔽」は、主題の最初の提示がぼかされているまたは意図的に省略されているケースだ。主題提示が隠蔽されているのだから、その瞬間はわかりにくい。後で振り返ってみて「そう言えばあのとき」というパターンのことを指している。そのぼかし方のさじ加減は簡単ではない。ボカシがきつすぎて、「そう言えばあのとき」と気づいてもらえなかったら元も子ないからだ。

ヴァイオリン協奏曲の第1楽章。61小節目から木管楽器が1小節毎に下降する。行き着く先の65小節目からグルグルと渦巻くような螺旋階段状の動機が現れる。2小節後にこれが弦楽器に受け継がれることになる。何かが始まりそうな予感に満ちてはいるのだが、このときには何も起きない。

さてさてやがて独奏ヴァイオリンが登場した後、198小節でも上記61小節と同じ局面が現れる。螺旋階段状動機までキチンと現れる。また何も起きないのかと思いいきや、今度は独奏ヴァイオリンが満を持して華麗な第2主題を提示する。206小節目のことだ。この一連の流れは延々と20小節も続き第1楽章の見せ場の一つになっている。ここに至って聴き手は管弦楽のみの提示部69小節目からこの20小節がゴッソリと省略されていたと気付くという寸法である。

同様な例は、第3交響曲第4楽章にも存在する。240小節目のチェロとコントラバスに第4楽章第1主題が出現するに及んで、同楽章の98小節目ではこれが伏せられていたことが判明する。

第1交響曲第4楽章にもある。ベートーヴェンの歓喜の主題との類似がいつも取り沙汰されるあの主題が奏でられるとき、実は、第4楽章の冒頭でその旋律の亡霊がヴァイオリンによって仄めかされていることが判る。

ブラームスの作品はしばしば「噛めば噛むほど」と表現される。この表現は言外に「一度聴いただけでは判らない」というニュアンスを匂わせている。主題提示を隠蔽なんぞされたら一度聴いても判らないのは当たり前である。しかししかし、この辺りがブラームス節の根幹のような気がしている。

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