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2007年10月 4日 (木)

呼びかけのイントネーション

「バラード」作品10-1は、スコットランドのバラード「エドワード」が下敷きになっている。大抵の楽譜には冒頭タイトル付近にそのことに言及した但し書きが添えられている。

トマス・シューマッカー著の「ブラームス性格作品」という本では、この作品を解説する譜例を挿入し、音符に実際のテキストを当てはめることを試みている。16ページのことだ。原作の持つ陰惨な内容が音楽でキチンとトレースされてるばかりか、テキストのフレージングとも鮮やかに呼応していることを指摘している。毎度の事ながらさすがである。

ご承知の通り、テキストの内容や意図あるいは抑揚にさえも敏感に反応し、文字通り1単語1フレーズごとにもっとも適した曲を付与することが、ドイツ・リートの醍醐味だが、この「バラード」作品10-1はまさにその条件にあてはまる。ブラームスが実際の出版に際し、この作品を歌曲「エドワード」としなかったのが不思議なくらいである。何故テキストのタイトルのみに言及するにとどめ、楽譜上にテキストを記することがなかったのか本人に訊いてみたいことの一つである。

さて、その譜例によれば、3小節目アウフタクトから3小節目冒頭にかけて「E→A」という5度下降と、その直後オクターブ下がった「E→A」の5度下降には、「Ed-ward」「Ed-ward」という呼びかけが当てはめれられている。呼びかけているのは母で、「エドワード」は少年の名前だ。「Ed」にあたるのが「E」で「ward」にあたるのが「A」である。

ブラームスは後になって、歌曲となっていてもおかしくないのにピアノ独奏曲としてしまった埋め合わせをしている。アルトとテノールのための二重唱曲「エドワード」作品75-1である。作品10-1の下敷きとなったテキストが本当に歌われるのだ。「エドワード」の名を母が2度呼びかける部分、3小節目4小節目は「C→G」「C→G」となっている。こちらは「4度下降」だ。

この前後の旋律の構造は全く似てないのに、「エドワード連呼」の部分だけはそっくりになっている。移動ドでいうと「レとソ」なのだ。難しく言うときっと「属和音の第五音と主音」なのだと思う。次なる母の問いかけの呼び水にもなっている。

エドワードへの呼びかけは下降が似合う。

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コメント

<もこ様

そして、「ブラームスの辞書」は旅のガイドブックになるのが理想です。

ブラームスの旋律は隠されたメッセージを探す旅のようでもありますね。

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