出会いと別れ
日本では春が、「出会いと別れ」の季節とされている。卒業入学を始めとする学校関係の区切りであり、年度末年度初めという社会の区切りにもなっている。引っ越し屋さんも忙しい季節だ。
欧米では、そうした区切りは10月にやってくる。
1853年9月30日。ヨハネス・ブラームスが初めてシューマン邸を訪問したとされる日だ。実際の初訪問は9月30日だったが、シューマン夫妻との対面は翌10月1日だったらしい。つまり、クララ・シューマンとブラームスの初対面が154年前の今日10月1日だったということになる。
出会いと別れはいつもついて回る。話は一気に42年後の1895年10月に飛ぶ。クララとブラームスの最後の対面だ。複数の資料を当たったが正確な日付は判明しなかった。確かなのは10月のある日ということだけである。このときブラームスがクララの家を訪問している。聴覚の衰えが進み、公の席での演奏から引退して久しいクララがブラームスの前で演奏した。バッハの作品とブラームスのインテルメッツォを数曲だったという。
これがブラームスとクララの最後の対面となった。このときから7ヶ月後クララはこの世を去る。そしてブラームスもその11ヶ月後に後を追う。神様は2人を10月に初めて引き会わせたことをしっかりと記憶していたかのようだ。
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コメント
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<麻由子様
この二人はそれがどちらも10月らしいのです。
投稿: アルトのパパ | 2007年10月 2日 (火) 05時06分
最初の対面が、すべてのはじまりで、
最後の対面は、永遠のはじまりのようにも感じられます。
投稿: 麻由子 | 2007年10月 1日 (月) 22時11分