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2007年11月10日 (土)

ユーリエ・シューマン

1872年11月10日ロベルトとクララの3女ユーリエは、27歳でこの世を去る。母クララの面影をもっとも色濃く受け継いだユーリエはブラームスの密かな思いの対象だった。シューマン家に出入りしていたブラームスは、ユーリエをとりわけかわいがっていたともいう。彼女の結婚に衝撃を受けたブラームスが「アルトラプソディ」を作曲したことは、よく知られている。

クララは4人の子供に先立たれている。女の子はこのユーリエただ一人だ。周囲の証言によればユーリエは繊細な外見の通り、病弱だったからクララも心配していたという。

そのユーリエは1869年に結婚してから2人の子供を産んでいる。そして亡くなった時、3人目を身ごもっていた。病弱のユーリエが3年の間に2人産み、さらに3人目を妊娠中とは恐れ入る。気の毒だ。

ユーリエの長男はエドワルド、次男はロベルト、妊娠中の子供はキアラという女の子らしい。キアラはロベルト・シューマンの謝肉祭に登場する名前で実はクララの象徴である。この時代に妊娠中の胎児の性別がどうしてわかるのかはおくとしても、エドワルド、ロベルト、キアラというのは何やら象徴的だ。

ロベルトはもちろん父の名前だ。キアラがクララとすると、残るエドワルドが気になる。祖父母の名前に因んだ名付けをすることはよくあるのだが、それなら長男にロベルトと命名しそうなものだ。エドワルドという名は父ロベルトに因んだ名付けより優先順位が高いと思われる。ユーリエの兄弟にエドワルドという名前の持ち主はいない。もしも父方のマルモリート伯爵の類縁にエドワルドの系統の名前の持ち主がいるなら一応納得である。

これより今や定番とも化したお叱り覚悟の深読みに走る。

ブラームスの作品10に「4つのバラード」がある。ニ短調を背負った第1番はスコットランドの古詩「エドワード」が下敷きになっている。この「エドワード」をドイツ語読みにすると「エドワルド」になるのだ。エドワードは主人公の少年の名で、このテキストはエドワードとその母の会話体になっている。エドワードによる父殺しを母が詰問するという悲惨な内容だ。

古来一部から、エドワードをブラームス、母をクララ、父をシューマンという役回りを想定する説があった。私自身はただちにうなずきにくいと思うが、ユーリエの3人の子供の名前を知った時真っ先に思い出したのがこの作品だ。ロベルトより優先順位の高いこのエドワルドはブラームスを象徴しているのではないだろうか。ユーリエは当然「4つのバラード」作品10を知っていた。少女時代、姉たちをさしおいてかわいがられた記憶が投影してはいまいか。もしかするとブラームスの密かな思いを察していた可能性さえ想像してしまう。

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コメント

<魔女見習い様

「女ごころ」のことですから、女性の感覚は貴重です。

黙って嫁いで、最初の子供の名前にメッセージを託したとしたら怖いです。さすがにヨハネスでは露骨過ぎるでしょうから、ギリギリの線ってことで「エドワルド」かもしれません。

さすがですね☆
ユーリエが察していた可能性は大いにあると思います。
作品10を持ってきたところが、
アルトのパパさんの凄さだと思います。

<もこ様

おおお。お叱りまでも覚悟しておりましたが、「脱帽」とは恐縮です。

てゆ~か、私の暴走にも慣れて来たということかもしれませんね。

う〜ん、深い読みですね!
脱帽です。興味深いです。

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