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2007年11月29日 (木)

開放弦

弦楽器において、左手で弦を押さえず音を出すことを「開放弦を鳴らす」と呼んでいる。ヴァイオリンを例にとると高い方から「E、A、D、G」となる。楽譜上では、音符の上または下に数字の「0」を書き添えることで「開放弦を使用せよ」の合図となる。開放弦を使用しないと出せない最低音だけは、この「0」が省略されるのが普通である。

習得の初期の段階において「開放弦」に関連していくつかの約束を教えられる。

  • 上行の音階の時は開放弦を使う。
  • 反対に下降の時は第1ポジションの4の指を使う。
  • 第1ポジションで上行するとき、開放弦が鳴り始めるまで直前の3の指を弦から離してはいけない。
  • 一番高い弦(ヴァイオリンならE)は金属音がするので出来れば開放弦を使わないようフィンガリングやポジションを工夫する。

実際にはこの原則通り行かないこともしばしばで、上級者ほど開放弦を上手に使っている。開放弦は使い方次第だということがだんだん判ってくるという寸法だ。開放弦だからといって音質が変わってしまうのは、弦のせいではなくて、むしろボウイングのせいであることがほとんどだという。実際のところ開放弦の制約はヴィブラートがかからないことくらいではないだろうか。チューニングさえ完璧なら、開放弦では絶対に音程をはずさずに済むのも心強かったりする。

古今の作曲家はみな、開放弦のこうした性格を知っていた。そしてむしろそれを利用した形跡さえある。重音奏法をする際、いくつかの音が開放弦であることは、とてもよくある話だ。ブラームスにもこうした意図的な開放弦の使用例がある。

  1. 弦楽六重奏曲第2番第1楽章冒頭のヴィオラ
  2. 弦楽四重奏曲第1番第3楽章のトリオのヴァイオリン
  3. 交響曲第1番第2楽章54小節目2拍目裏のヴィオラ
  4. 交響曲第4番第4楽章77小節目のヴァイオリン

上記のうち1,2,4の3例は指で押さえて出す音と開放弦で出す音を急速に交代させる用法になっている。六重奏の方は半音違いの音だが、四重奏の方は同じ音だ。同じ音を移弦して弾くことにより特殊な効果を発生させている。3番目は、大したことはないのだが単に珍しいだけの場所だ。ハ音記号の五線の下に引かれた2本目の仮線に貫かれた音符が書かれている。黙っているとヴィオラのC線の半音下のHなのだが、これに♯がついて実音Cとなるので、C線開放弦でOKという寸法だ。この位置に音符が来るとギョッとする。

思うにブラームスが用いた最も印象的な開放弦は第1交響曲中にある。第4楽章61小節目のヴァイオリンだ。ベートーベンの第九交響曲の主題との関連ばかりが噂される例の旋律だ。Gの開放弦がアウフタクトに配置されCに跳躍する。第1交響曲も大詰めという気分にさせられる瞬間だ。このころになるとチュウニングが狂っていることも危惧されるが、ブラームスは臆する様子もない。第4楽章の前にチュウニングするなど考えにくい中ではあるが、このG線の開放弦の音がしこたま強調される作りになっている。

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コメント

<op102様

遅くないですよ。

こういうノリの突っ込みは歓迎です。

84小節目あたりのお話でしょうか?

遅くてすみませんが、ヴァイオリンソナタ3番の1楽章なんかも楽しめますよね。

<魔女見習い様

是非気にしてみてください。

第1交響曲第4楽章を聴くとき、
ちょっと気にしてみたいですね。

<もこ様

おおお!ヴァイオリンの難しさですと!

それは私の文章のせいです。

本来楽しさが伝わらねばなりませぬ。

読んだだけでもヴァイオリンの難しさが伝わってきます。

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