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2007年11月 4日 (日)

無言歌

「Lied ohne Worte」の訳語だ。「歌の無い歌曲」くらいの意味。ピアノ小品の1ジャンルを形成するに至っている。メンデルスゾーンの創始であることが確実視されている。メロディアスなピアノ小品だ。

ブラームスには無言歌とタイトリングされた作品は無い。無いのだがいけない想像を膨らませてしまっている。「8つのピアノ小品」op76は、「パガニーニの主題による変奏曲」op35以来遠ざかっていた久々のピアノ独奏曲だ。ソナタや変奏曲は二度と書かれることは無く、こうしたピアノ小品が中期後期のホームグラウンドになる。まさにピアノ作品の中期開幕を告げるモニュメンタルな作品だ。

ひょっとしてブラームスの脳裏に無言歌がかすめていなかったかと考えている。少なくとも声楽曲とピアノ曲の中間を狙った意図はなかったかと考えている。理由は2つある。

1つは作品76を構成する8曲のうち5曲の冒頭指定がイタリア語とドイツ語の併記になっている。発想用語にドイツ語を用いる事自体は珍しくないが、器楽曲に限ればこの作品が唯一である。声楽曲の専売特許であるところのドイツ語の発想記号が偶然とは思えぬ頻度で現われている。

2つめは「voce」系の多用だ。「sotto voce」「mezza voce」という声楽由来の楽語使用が目立つ。作品76-1には楽曲冒頭からの単独使用が初めて試みられている。

無言歌とは断言できないまでも全く新しいピアノ独奏曲のジャンル開拓を試みたのではないかと考えている。

そのメンデルスゾーンは1847年11月4日に没したから、今日は没後160周年のメモリアルデーである。

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コメント

<魔女見習い様

雑食性ですので、どんなネタでもありです。

こちらでメンデルスゾーンのお誕生日に言及していただけることなど、
全くの想定外だったので、じんわりと嬉しくなりました♪

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