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2007年11月19日 (月)

Selig

ドイツ語だ。「この上なく幸せな」「至福の」という意味の形容詞である。しかし一般の日本人には注意が必要である。断り無く用いられた場合でも宗教的なニュアンスを帯びていることが普通だからだ。日本人が普通に用いる「ハッピー」「ラッキー」「ついてる」とは重みが違うのだ。亡くなった人の名前の前に「故」という字を添えることがあるが、「Selig」にも同等の機能があることからも、軽々しい言葉ではないことは容易に推定できる。

つまりこの「幸い」とは、神の祝福を受けた状態そのもののことを指すということなのだ。

ブラームスの出世作にドイツレクイエムがある。ブラームス独特の宗教観、人生観、音楽観が全7曲を貫いている。旋律という切り口で見ると終曲第7曲には第1曲が反映している。第7曲の冒頭は第1曲145小節目の旋律で立ち上がる。「F-D-C-B-A」だ。第7曲の終末感を決定付ける147小節目は、第1曲の105小節目の旋律そのままだ。

旋律という切り口とは別にテキストを切り口に眺めてみる。

  • 第1曲冒頭 Selig sind die da Leid tragen「悲しむ者は幸いである」
  • 第7曲冒頭 Selig sind die Toten「死する者は幸いである」

驚いたことにどちらも本日のお題「Selig」で始まっている。前者は「マタイによる福音書第章4節、後者は「ヨハネ黙示録」第14章13節からの引用だ。出典を別の部分に求めながらもどちらの語句も「Selig」で始まるという点、ブラームスの明確な意図を感じる。ブラームスはテキストと旋律の両面で第1曲と第7曲に関連を持たせている。

特に第7曲は発想記号「Feierlich」(荘厳に)が単独で置かれている。「Feierlich」の単独使用は生涯でここ1箇所だ。単なる物理的なテンポの指定を超えた、特別なニュアンスの付加を意図していることは必然でさえある。第7曲冒頭の重要性は明らかである。

さて大小さまざまの偶然をいじくりまわす「ブラームスの辞書」ならではの話題が続く。

バッハの残してくれた約200の教会カンタータで本日話題の「Selig」という単語で始まるものが一つある。「Selig ist der Mann,der die Anfechtung erduldet」「試練に耐える人は幸いなり」がそれである。200もあってたったの一つとは驚きだ。もっとあるかと思った。

この作品のBWV番号を見て驚いた。何とBWV57である。ブラームスのお誕生日のことかと思った。

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コメント

<魔女見習い様

正確に申せばテキストを調べただけで、楽譜を全部当たったわけではありません。

また途中の全曲の冒頭に限らなければ楽章冒頭が「selig」になっている曲は他にもあります。

ふふ。。。素敵な奇遇ですね☆
バッハの残してくれた約200の教会カンタータの楽譜も、
アルトのパパさんは調べたのですね?

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