大陸移動説
1912年ドイツの気象学者アルフレッド・ヴェーゲナー(1880~1930)によって提唱された。地球上に散らばる大陸が、元は一つの大きな大陸だったという説。
欧州中心の世界地図は大西洋が中央に来る。彼は大西洋を挟んで向かい合う両大陸の海岸線が似ているという直感から、大陸移動説を提唱した。彼の専門が気象学だったこともあり、当時の学会からは攻撃された。現在ではほぼ確実視されているのだが、当時は無視または失笑または攻撃の対象だった。彼は自説を立証すべく赴いたグリーンランドで遭難した。
今から思えば「大陸を動かすメカニズム」を十分に説明できなかったことが彼の主張の弱点だった。地球内部のマントル対流など想像も付かぬ時代だった。よってたかってヴェーゲナーを攻撃した学者たちの側が、困ったことはただ一つ、大西洋を挟んで向かい合う両大陸の海岸線の形が似ていることを合理的に説明できなかったことだ。「偶然」と決め付けるのが関の山だった。
地球物理学の門外漢の直感は捨てたモンではなかったのだ。
1月20日の記事「似ているの分類」で「似ているの定義が甘い」と述べたが、「定義は出来ないけど何となく似ている」という直感は捨てたモンではないのだ。ブログ「ブラームスの辞書」はこうした直感で出来ている。ただの直感ではない。愛ある直感だ。
もし自説のいくつかが証明出来るなら、ウイーンでもハンブルグでも飛んで行きたいくらいである。グリーンランドよりは遭難の危険は低いと思う。
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