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2008年1月13日 (日)

献呈のお作法

クラシック音楽関係の書物を読んでいるとしばしば「献呈」という言葉に遭遇する。作曲家が作品を特定の個人に捧げる行為だ。作曲家が貴族の手厚い保護無しには生きて行けなかった時代には、パトロンたる貴族への献呈は日常茶飯に見られる。献呈相手が作品のニックネームの由来になっていることも多い。「ラズモフスキー四重奏曲」「大公トリオ」がその例だ。ブラームスの時代になると献呈相手が貴族というケースは、さすがに希になって行くが、「献呈」の習慣自体は廃れた形跡がない。

献呈には一定の手続きが必要だったのだろうか。たとえば以下の通りだ。

  1. 作曲家から被献呈者への事前の打診
  2. 被献呈者の受諾の意思表示
  3. 楽譜表紙への明記
  4. 初版楽譜の被献呈者への贈呈(おそらく献辞付き)

登記所の類への申告は、不要だったのだろうか。公正証書を組んだという話は聞かない。被献呈者には何か特典が発生したのか。たとえば印税の一部が支払われるというようなメリットはあったのだろうか。

誰かに献呈された作品の楽譜を重版する際、献呈者の了解が必要とされたのかどうか。さらに重版はまだしも、作曲家自身が改訂の必要性を感じた場合、献呈の有無は手続きに影響するのだろうか。献呈済み作品の改訂には何らかの手続きが発生したかもしれないとウスウス感じている。法的なものはないと思うが、心情的には一言挨拶くらいは要りそうだからだ。

ブラームスの作品は時代が新しくなるほど献呈されない作品が増える。つまり初期ほど献呈される傾向が高いのだ。10番までの10作では、9つの作品が献呈されている。唯一献呈されていないのが、作品8を背負ったピアノ三重奏曲第1番だ。

まさかとは思うが言及しておきたいことがある。ピアノ三重奏曲第1番はブラームスの作品で唯一、後になって本人が改訂を施しているのだ。本当は初期の作品のいくつかを改訂したかったのに、献呈作品であったために、思いとどまったなどということは無いのか、というのが、「まさか」の中身である。

誰かに言われる前に言っておきたいという程度のノリである。今年もこの手のまさかを大切にして行きたい。

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