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2008年1月 6日 (日)

バッハのスラー

バッハの楽譜に親しむ人には既におなじみの話だ。バッハの楽譜はスラーを含むアーティキュレーションの密度が低い。書いていないのだ。様々な理由が推定されている。バッハ自身楽器演奏の名人であり、多くは自作自演の目的で書かれたから、アーティキュレーションが無くても済んだからというのが、一応の定説だ。最初の方には、記入があっても曲が進むに連れて律儀には書かれなくなって行くこともある。

現代市販の楽譜は、元々書かれていなかったアーティキュレーションを書き込んであるものもある。だから、逆にバッハ本人に由来するアーティキュレーション記号には、その旨注意書きが施されていることが多い。

この冬休みはバッハの作品に親しんだ。特に平均律クラヴィーア曲集を楽譜を見ながらじっくり聴きこんだ。

第1巻24曲ロ短調のフーガの冒頭に一群のスラーがある。2小節目の間に6個のスラーが密集している。そのどれもが短2度の下降になっている。このスラーには注釈が振られ、バッハ本人によるスラーであると明記されているのだ。

昨年12月13日の記事「音の抑揚」の中で述べたスラーの機能に関するシューマッカー先生の見解と呼応しているように感じていた。ブラームス至高のインテルメッツォop118-2冒頭の2音「Cis-H」に付与されたスラーは「音の抑揚」を表すという見解のことだ。

書かんでも判るアーティキュレーションを省くことの多かったバッハが、敢えて執拗に書き込んだスラーが、偶然にも短2度の下降なのだ。これはフーガ主題だから曲中何度も再帰する。まさに平均律クラヴィーア曲集第1巻をしめくくるフーガの性格を決定付ける、欠くべからざるスラーだと考える以外に道は無い。

休み中、ずっとそのことを考えていた。

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