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2008年1月 5日 (土)

pp ma ben marcato

「きわめて弱く、しかし十分はっきりと」と解される。ブラームスは生涯で2回用いている。

  1. 交響曲第4番第1楽章110小節目
  2. 交響曲第4番第3楽章168小節目

つまり、2回しかない用例がともに第4交響曲になっているということだ。「pp」と「ben marcato」の両立を要求しているということだが、ブラームス自身注意が必要と考えた証拠に「ma」が挟まれている。「ピアニシモで弾かれねばならないが、十分に聞こえねばならない」という確固たる意思表示と考える。同時に、この2箇所が「よっぽどの場所」だということが容易に推定出来る。

はじめは提示部の中だ。再現部における該当箇所354小節目では、「pp ma marcato」になって、「ben」が脱落する。1回目は「第1楽章を代表する動機の萌芽を大切にせよ」というメッセージだと解したい。

2番目は第3楽章の中だ。159小節目から弦楽器が、第一主題の亡霊を奏でる。多分嬰ハ短調だ。「pp」がさらにディミヌエンドを要求され「ppp」に達する。全弦楽器がたどり着くのが嬰ハ短調の象徴たる嬰ハ音のピチカート2発だ。その2発目のピチカートに重なるように木管楽器が走り出す。まさにその走り出すところに本日話題の「pp ma ben marcato」が置かれているのだ。驚いてはいけない。木管楽器が出すのは「変ニ音」だ。つまりこの場所「嬰ハ音」と「変二音」が同時に鳴る仕掛けになっている。まさに「異名同音」だ。

木管楽器が奏するのは第一主題の草書体だ。調性は変ニ長調である。嬰ハ短調は一瞬にして変ニ長調にすり替わるという訳だ。粛々と音楽が進む。やがて199小節目に鎮座する「Tempo Ⅰ」によって第一主題がはっきりと回帰する。ことここにおよんで聴き手は、実はあの時の「pp ma ben marcato」の木管楽器が、再現部の始まりだったことに気付くという寸法だ。ブラームスお得意の再現部隠蔽だ。隠蔽されはするのだが、さりげない痕跡を残すことも忘れないのがブラームス流だ。それが「pp ma ben marcato」ということなのだ。

とても大切だということが判る。

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