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2008年2月 7日 (木)

重音奏法

弦楽器においては複数の音を同時に発する奏法。

弦楽器の華麗なテクを披露する曲では日常茶飯に見られる。

一方、娘らのヴァイオリンレッスンでは割と早くから取り入れられて驚いた経験がある。先生によれば、重音奏法の練習には以下の通りいくつかのメリットがあるという。

  • 複数の音を同時に出すときには、単独の音を発する場合よりも脱力が大切となる。きれいな響きを聞き取るためにも脱力が必須となるのでコツが習得しやすい。
  • はまったときにアゴを通じて届く独特な響きを体験させて、音程が合うとはどういうことか刷り込ませる。
  • チュウニングを早くに教えられる。
  • 将来より高度なテクを要する曲を習得するためにも早く始めるに越したことはない。

なるほどである。ブラームスは協奏曲にまで行かなくても室内楽の中に華麗な重音がいくつか見られる。ヴァイオリンの事情には疎いがヴィオラに印象的な重音奏法が求められている箇所をいくつか挙げてみる。

  1. すぐ思いつくのは、ピアノ四重奏曲第1番だ。おいしい重音奏法の巣だ。まずは第3楽章の冒頭。ブラームスの室内楽屈指の名旋律をヴァイオリンとチェロが奏するのだが、その影でヴィオラが複雑な重音に挑んでいる。特に3小節目のえぐるような低いEsの音は味わいが深い。こうして立ち上がる第3楽章は手品のような重音に溢れている。弾ければおいしいという感じだ。
  2. 同じくピアノ四重奏曲第1番の第1楽章355小節目も第1楽章の結尾を飾るに相応しい。
  3. ピアノ四重奏曲第3番の第1楽章142小節目にも目の覚めるような重音がある。重音でなければならぬ必然性においては随一の場所だ。164小節目からの後半部と微妙に音程が違うのが悩ましくも美しい。
  4. ピアノ四重奏が続いた。弦楽六重奏第1番にも印象的な重音が存在する。第2楽章113小節目だ。小節の頭でD線の開放弦に触るだけなのだが、バグパイプのような効果が美しい。
  5. ヴィオラソナタ第1番の第1楽章。147小節目から4小節間にも重音が密集している。有り難味において屈指の場所だ。なぜならこの曲オリジナルはクラリネットソナタである。つまり重音なんぞ演奏不能だ。ブラームスが自らヴィオラ用に編曲するにあたって作り込んだ重音だからだ。

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コメント

<魔女見習い様

でしょ、でしょ。だから最後の5番目で言及しました。

欲を申せば、演奏が易しければもっと良かったンですが、それはブラームスのせいではありませぬ。

5番がとても素敵ですね♪

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