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2008年4月 7日 (月)

Gesangbuch

ドイツ語で「賛美歌集」のこと。キリスト教のミサとは切ってもきれない間柄だ。おびただしい数の賛美歌が存在しそれが今もなお実用なのだ。バッハのカンタータやコラールの多くはこうした賛美歌が反映している。

このほど本場ならではのコラール集を発見した。バッハがカンタータで採用したコラールをアルファベット順にBWV番号とともに列挙し、それら一つ一つについて、賛美歌集中における番号と紐付けされている。「同テキスト異旋律」の所在についても厳密に網羅されているばかりか、カトリックとプロテスタントそれぞれについて、ドイツ版とスイス版についての所在が明示されている。もちろん表記は全てドイツ語だ。英語さえ現れない。4声体のコラールだけに対象を限定しているのもカッコいい。

さすが本場は違うと驚いていたが、その中にお宝があった。「O Welt, ich muss dich lassen」がひっそりと記載されている。BWV44のフィナーレの第7曲にあると書かれている。実際にBWV44のテキストを確認したところ全く別のテキストだった。おかしいと思って楽譜をあたって謎が解けた。BWV44のフィナーレは旋律だけが「O Welt, ich muss dich lassen」と同一だったのだ

「O Welt, ich muss dich lassen」は一般に「おおこの世よ。われ汝を去らねばならず」と訳される。お気づきの方も多いだろうが、これはブラームス最後の作品「オルガンのためのコラール前奏曲」op122の3番と11番と同じテキストということになる。私がお宝と申したのはこのことだ。

さらに作品122-2「最愛のイエスよ」も載っている。こちらは歌詞も旋律も一致する。

誰もが知っている賛美歌集から旋律を借用することには、積極的な意味があると思う。旋律を提示しただけで聴衆が勝手にテキストを想像してくれるのだ。楽譜にテキストが添付されていなくても旋律を聴くだけでみんな判るのだ。テキストのイメージから大きく逸脱した音楽を付与したら批判の対象になりかねないリスクもあるし、複数ある「同テキスト異旋律」から、どの旋律を採用するかについてはセンスも問われるかもしれないが、ブラームスに限れば無用の心配だろう。

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