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2008年4月 9日 (水)

掛詞

本来は短歌俳句用語の一つ。一つの単語あるいは語句に複数の意味を持たせる技法。我が国の古典文学作品を紐解けばその例は無数にある。

江戸城構築に関わったとして名高い太田道灌のエピソードは有名だ。ある日道灌が狩に出かけた。不意の雨に襲われて、駆け込んだ家の娘に雨具を乞うたところ、彼女は一輪の山吹を差しだした。道灌はこの意味が判らなかった。後になってある歌を知ることとなる。

七重八重花は咲けども山吹の実の一つだに無きぞ哀しき

「山吹は花を付けるけれども実はなりません」という程の意味だ。実はこの歌の中の「実の」は「簑」に引っ掛けられている。つまり「雨具一つさえ無い」という意味を暗示しているのだ。道灌は自らの不明を恥じたという。

著書「ブラームスの辞書」の中でも「掛詞のような」という表現を用いている。

たとえば「sempre A e B」だ。「sempre」は「常に」と解することで問題はないが、この「sempre」の効力は「A」のみならず「B」にも及ぶかという議論だ。「A」に効力が及ぶことは自明ながら「B」に及ぶかどうかは、用例毎に楽譜に照らして判断しなければならない。

あるいは「A sempre B」というケース。ここでも「sempre」が「A」を修飾するのか「B」を修飾するのか判断に迷う場合がある。

「ブラームスの辞書」ではその都度用例毎に独自の判断を提示しているが、中には「AもBも修飾している」という判断に達していることもある。まさにこの時「掛詞のような」という表現をしている。

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コメント

<麻由子様

偶然コレクターの私としては、あくまでも「偶然」と申し上げたいところですが、偶然ではありません。

ささやかな隠し味のつもりです。

今日の誕生花が「山吹」ですね。
ちょっぴり恐縮です。。ありがとう♪

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