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2008年4月28日 (月)

5度ハンター

ヨハネス・シュライヤーという人がいる。20世紀初頭のバッハ研究家で業界ではちょっと知られた存在だ。真贋論争が存在するバッハ作品のいくつかについて、論争に決定的な結論をもたらしたこともある。

真贋判定についての彼の手法は、バッハをとことん信頼するという姿勢から出発している。

  1. バッハは天才である。
  2. 天才は作曲上の初歩的なミスを犯さない。
  3. 初歩的なミスが存在する作品はバッハの真作ではあり得ない。

というような三段論法を駆使したのだ。ここでいう「作曲上の初歩的なミス」とは4月24日の記事で言及した「禁則違反」である。彼は論争のある作品についてこの「禁則違反」とくに「平行8度」と「平行5度」を片っ端からリストアップした。そこでつけられたニックネームが本日のお題「5度ハンター」である。禁則違反を見つければ即刻偽作と判定したという。

バッハの鍵盤楽器奏法ではトリルのかけ方は厳格に定められている。記音の2度上の隣接音からかけるというのが大原則だ。ところがいくつかの作品ではこの原則を守ると、左手と右手の間に「平行8度」が発生するとして、記音からトリルをかけることさえあるという。つまりこれら「平行8度」や「平行5度」はそれほど忌避されているということだ。

もちろん現在では彼の手法は「行き過ぎ」と評価されている。彼の手法に沿うならばブランデンブルグ協奏曲第5番が偽作ということになりかねない。まずは真贋判定の指標に初めて「禁則違反」という客観的な事実が用いられたという歴史的意義を確認するにとどまるべきだという。つまり「バッハといえどもときたま禁則違反を犯す」ということである。コミック「のだめカンタービレ」第12巻185ページで、リュカくんの祖父が「バッハだって結構いい加減なところがあったんだよ。ガハハハ」と言っていたことを思い出す。

この人と同じく、先輩作曲家の「禁則違反」をリスト化していたブラームスは、いったい何に使ったのだろう。「効果的な禁則違反」がありはいないかと探していたのかもしれない。反則スレスレの美しさを追求するには、反則の境界線を熟知しなければなるまい。

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