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2008年5月13日 (火)

Alla breve

一般の音楽辞典には「2分の2拍子で」と書かれていることが多い。他に2分音符や全音符などの白玉系の音符だけで構成される、古い様式を指すこともある。バッハのオルガン作品BWV589は「Alla breve」がタイトル代わりになっている。白玉系の古式ゆかしい作風だ。

注意しなければならないことは、2分の2拍子の全てに「Alla breve」と書かれているわけではないのだ。

ブラームスの作品番号ありの作品の中で2分の2拍子の楽曲が50曲ある。この中では男声4部合唱の「私は角笛を苦しみの谷間に鳴らす」op41-1が「Andante (alla breve)」とされている以外、「alla breve」は一切現われない。この作品の楽譜を見て驚いた。いわゆる白玉系になっている。実はこの同じ曲がop43-3にも独唱用となって現われるが、こちらには「Alla breve」という記載は無い。

つまり、2分の2拍子なら何でもという状態からは程遠いということだ。

私が生涯で初めて出会った「Alla breve」はベートーヴェンだった。英雄交響曲の第3楽章381小節目である。スケルツォだから元来4分の3拍子だが、この瞬間4小節だけが2分の2拍子になっている。1小節の長さを変えずに2分の2拍子を挟み込む意図は明白だ。スケルツォ第3楽章も押し詰まった印象的な場所である。

ブラームスがこの英雄交響曲を密かにトレースしたのではないかと感じている曲がある。

ホルン三重奏曲だ。その第2楽章スケルツォはAllegroの4分の3拍子だが、13小節目からの4小節間、実質2分の2拍子になる。例によってブラームスは断固として拍子を変えないが、英雄交響曲のスケルツォの381小節目の効果と同じである。ベートーヴェンはこのからくりを楽章中でたった1度用いることで意外性を演出したが、ブラームスにおいては、このリズムの錯綜こそがスケルツォ主題の肝になっている。

この場所にさえ「Alla breve」と書かぬくらいだから、ブラームスとって「Alla breve」は「古式ゆかしい白玉系」に限るということなのだろう。

この他にもホルン三重奏曲には、ベートーヴェンの英雄交響曲との繋がりを感じさせることが多い。

  1. ソナタ形式の楽章が「Allegro con brio」になっている。
  2. ホルンinEsが活躍する。
  3. 4つある楽章のうち3つが変ホ長調。4つのうち3つまでが同じ調になるのは、この他ではピアノ協奏曲第2番だけだ。

ホルン三重奏曲を「英雄トリオ」と呼びたいくらいだ。第3交響曲を「ブラームスのエロイカ」と呼ぶのにくらべれば、ずっとエレガントである。

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