ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 抜かれた | トップページ | 暗譜からの教訓 »

2008年5月25日 (日)

Posaune

「Posaune」(ポザウネ)はドイツ語でトロンボーンのことだ。ブラームス作品にも「Posaune」つまりトロンボーンの出番があることは既に記事「トロンボーン」で述べた。

実はブラームスの出世作の誉れ高いドイツレクイエムop45のテキストに「Posaune」が現われる。第6楽章69小節目のバリトン独唱だ。実際には「letzten Posaune」という語句として用いられている。大抵の解説書では「最後のラッパ」と訳されている。ここを「最後のトロンボーン」と訳している解説書にはお目にかかったことがない。語呂もよくない。

そういう目でみるとこの使われ方は興味深い。第6楽章はラテン語による通常のレクイエムにおける「怒りの日」に相当すると言われている。ドイツレクイエム全曲を通じての山場でもあるのだ。68小節目からのバリトン独唱が「letzten Posaune」と歌う。実はこの部分、管弦楽の中にいる本物のトロンボーンが、第3楽章以来の沈黙を破って復帰する場所にもなっている。やがて合唱が76小節目で「Posaune」を「ff」で引き伸ばすことを合図に音楽の様相が激変するのだ。82小節目から「Vivace」に突入してわずか2小節後、合唱が再び「Posaune」と歌う。ソプラノ、アルト両パートに当てられた3連符がそれを強調する。

ドイツレクイエムの聴き手がくぐり抜けねばならない最後の激情だ。

つまりここでいう「Posaune」は「最後の審判」という重要な場面を象徴するツールになっているのだ。

次女がトロンボーンを選んだというだけで、広がり始めた世界の奥行きを思い遣る。おそらく全ての楽器の後方に同様の広がりがあるのだろう。だからオーケストラは面白い。

« 抜かれた | トップページ | 暗譜からの教訓 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Posaune:

« 抜かれた | トップページ | 暗譜からの教訓 »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ