やっぱりバッハ
ブラームスが作成していたという「禁則違反」リストをマッコークルの「ブラームス作品目録」を元にエクセル上で復元する試みが終わった。現実の譜例以外は復元できた。一旦エクセルに入力してしまうとデータのソートや抽出が思いのままだ。
5月27日の記事「獲物のリスト」で述べたとおりブラームスに禁則違反を指摘された作曲家は32人だ。指摘箇所の合計は153箇所に達した。最も頻度高く指摘された作曲家は驚いたことにバッハだ。全部で49回だ。第2位はモーツアルトで14箇所。これに13箇所でベートーヴェンが続くのだ。音楽史のトップスター3名を集めたような感じだ。以下4位マレンツィオ、5位スカルラッティと続き、ここまでは10回以上だ。
これによって指摘された作曲家の優秀性や作品の価値は微動だにするまい。むしろブラームスが頻度高く楽譜に接していた作曲家ほど多いと解するべきかもしれない。先輩作曲家に対するブラームスからのアプローチの濃さに比例していると考えたい。
だからやっぱりバッハなのだ。「禁則違反リスト」において違反件数最大を記録しておきながら、ブラームスの信頼は微動だにしていない。このリストは愛情の裏返しであると敢えて断言する次第である。
バッハに捧げたカテゴリー「65 バッハ」を誇りに思う。
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