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2008年6月26日 (木)

ネガティブキャンペーン

事実上の選挙用語かもしれない。2人の候補者の一騎打ちの選挙戦で、しばしばネガティブキャンペーンの応酬が見られる。

選挙運動の主流は公約の宣伝を通じて、自らの優位性のアピールをするというのが自然だ。しかし世の中そうも行かないことが多い。相手の欠点の指摘がこれに取って代わることも少なくない。これが「ネガティブキャンペーン」だ。相手のイメージを下げることを通じて、結果として自分を持ち上げることが狙いである。行き過ぎると見苦しいことは周知の通りである。

6月21日の記事で紹介した「悪口の辞典」はこの手の攻撃に満ちている。とりわけブラームスの時代には音楽史上でも有名な論争が行われていたから、攻撃の手数も増えていったと思われる。しかしである。エピソードとしてこの論争の激しさがどれほど印象的であろうとも、ラジオもテレビも無い時代だ。論争は主に新聞や雑誌の誌上で行われたのだ。そこで繰り広げられた論争の激しさは先の「悪口の辞典」でうかがい知ることが出来るが、ブラームスの言われ方はぬるい方だと感じた。

時は流れ現代はネット社会だ。その手の論争はしばしばネット上の掲示板で発生する。

もちろんブラームス派とワーグナー派の論争がある訳ではないが、サッカーのサポーター間のやりとりなどは相当過激である。私はサッカーが好きだから贔屓チームを取り扱うサイトをいつも閲覧するが、直視に耐えない論争も起きている。シーズン中ともなれば週に1回か2回行われる試合が、絶え間なく論争のタネを供給する。

理不尽で一方的な書き込みにさらされることも多い。管理人の苦労ばかりが透けて見える。それに比べればブログ「ブラームスの辞書」は無風である。

ブラームスを贔屓するあまり、他の作曲家にネガティブキャンペーンを仕掛けてはなるまい。そんなことをしなくてもブラームスは十分に偉大である。

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