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2008年6月 5日 (木)

歌のあるインテルメッツォ

世の中に「のろけ」という言葉がある。恋愛の当事者が、自分の恋愛の相手の長所について第三者に話すことだ。惚れた相手の話だからいくらでも話すことはあるのだろうが、話される側にとっては迷惑のこともあろう。

今日の記事は大好きな音楽作品についての「のろけ」だ。

その作品のタイトルは「Geistlichlied」だ。一般に「宗教的な歌曲」と邦訳され作品番号30を背負っている。オルガンまたはピアノと混声四部合唱のための作品である。演奏時間にして約5分の小品だ。テキストは17世紀の古いコラール集から採られている。2分の4拍子という拍子も古風な感じに拍車をかける。何かと三位一体を連想させる変ホ長調だ。

1856年2月に始まったヨアヒムとの「相互添削」の一環として同年6月5日にヨアヒムに送られた作品が、1865年になってほぼそのまま出版された。出版がピタリと止まっていた時期に、ひっそりと生まれていたということだ。モーツアルトの名高い「アヴェ・ヴェヌムコルプス」にさえ匹敵している。私の軍配は当然こちらに上がる。人の声の美しさに息を呑むとはこのことだ。打ちのめされて楽譜を見るともう一度驚かされる。先行する旋律を9度下で追いかける「9度のカノン」が、あろうことか二重カノンを形成しているのだ。ヨアヒムとの相互添削のテーマは対位法だったから、この手の難解なカノンを扱うのは当然だとも思うが、そうした難解さを微塵も感じさせない作品に仕上がっていることに驚かされるのだ。原題にある「Geistlich」は「神聖な」とか「聖なる」という意味だが、まさにその通りの世界がわずか67小節の中で余すところ無く表現されている。「宗教的な歌曲」という邦訳では、全くニュアンスが伝わらないことが惜しい。

我が家には3種類のCDがあったが、このほど4つめを手に入れた。従来の3種は全て伴奏がオルガンだったのだが、今回初めてピアノ伴奏版だ。正直言って惚れ直した。合唱の細部が透けて見えるという点ではオルガンよりも一枚上である。音がギュッと敷き詰められた感じのオルガン版に慣れていたから、ピアノ版は新鮮だ。突き詰めないテンポでポロリポロリと紡がれて行くピアノの音色を説明する上手い表現が無いかと考えて思いついたのが本日のお題「歌のあるインテルメッツォ」だ。

それにしてもヨアヒムに送付されたという1856年6月5日という日付にもまた驚かされる。ロベルト・シューマンの没するわずか1ヶ月半前ということだ。絶望的な病状の恩師を見舞う日々の中で、頭の中にはかくも清澄な音楽が形作られていたことになる。そうした状況を思いやりながら聴くと、味わいがいっそう深まる。

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コメント

<魔女見習い様

お粗末さまです。

ごちそうさまでした♪

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