シューマンの交響曲
ブラームスを音楽界に紹介したロベルト・シューマンは4つの交響曲を残している。
- 1番変ロ長調 1841年出版
- 2番ハ長調 1847年出版
- 3番変ホ長調 1850年出版
- 4番ニ短調 1841年出版1851年改訂
この並びが作曲の順番ではないことも良く知られている。1841年に初版が発表された4番ニ短調交響曲は1851年に改訂されている。つまり現在の番号は改訂版の出版年に基づいているように見える。
そもそも作品の番号は作曲家の意志の反映なのかという問題があるが、いずれにしろシューマンの交響曲のこの並び順は興味深い。1番から順に調性を並べると「B→C→Es→D」になる。これを変ロ長調の移動ドで読むと「ドレファミ」となる。つまりモーツアルトの交響曲第41番ハ長調「ジュピター」の終楽章の主題になるという訳だ。
周知の通りブラームスの交響曲4つで同じことをするとハ長調の「ドレファミ」になる。偶然の一致と一笑に付すのは少しもったいない。
問題はシューマンの4つの交響曲の並び順を誰が決めたかである。ニ短調交響曲が4番目に来なければお話にならないからだ。まさかとは思うが、シューマン全集の出版に夫人のクララと共に携わったブラームスの悪戯ということはないだろうか。自らの交響曲の並び順と引っかけたパロディのつもりだったなどということはいけない想像だろうか。晩年に相次いだクララとブラームスの行き違いの原因になっているかもしれないと想像するのは楽しい。
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