新幹線
1964年10月1日に東海道新幹線は開業した。東京オリンピックに間に合わせたのだ。
新幹線は現在もなお国内都市間交通の根幹である。開業から40年以上を経た今も古い乗り物という感じは全くしない。時折投入される新型車両のせいばかりでもあるまい。40年を経過した今も古くないということは、開業当時は抜きん出て新しかったのかというとそうでもないような気がする。世界銀行から建設費用を借りる際「新しい技術は何もない。既存技術の集成である」というロジックに終始したという。実績の無い新技術には金を貸してもらえなかったからだとの関係者の苦労談を聞いたことがある。一見新技術最先端の塊に見えるが、実際には従来からの技術を実直に積み上げたものだという話には、妙な説得力がある。
没年から数えてもすでに100年をゆうに経過したブラームスの作品ではあるが、ちっとも古くない。数少ないカラオケの持ち歌を歌わされて、同席した若者から「ふる~い」という反応をもらうことがある。古いと思われたそれらの歌はたいてい20年以内の歌だ。ところが100年以上経過したブラームスの作品からは、その種類の古さは全く感じない。それではそうしたブラームスの作品は初演当時群を抜いて新しい未来の音楽だったかというとそうではない。むしろその逆だ。初演当時から「古い」と言って批判されたのだ。
初演当時「古い」と批判されたブラームス作品が100年の時の流れにもかかわらず輝きを失わず、時差にして8時間の空間をも飛び越えている一方、当時「未来の音楽」ともてはやされた音楽のいくつかは100年を経た現在、顧みられていない。
「新しい」「古い」ではない別のパラメータが関与していそうである。
1970年8月2日。今から38年前の今日、日本万国博に行くためにはじめて新幹線に乗った。
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