編曲者シェーンベルク
ブラームスの「オルガンのためのコラール前奏曲」の源流を求めてたどり着いたBWV654について調べているうちにお宝CDに遭遇した。何とオーストラリア製だ。オーストリアではない。
- バッハ:コラール前奏曲「来たれ聖霊よ」BWV631~管弦楽版
- バッハ:コラール前奏曲「装え愛する魂よ」BWV654~管弦楽版
- バッハ:前奏曲とフーガ変ホ長調「聖アン」BWV552~管弦楽版
- ブラームス:ピアノ四重奏曲ト短調op25~管弦楽版
上記全て編曲はシェーンベルクである。ト短調ピアノ四重奏曲を管弦楽に編曲していたことはブログ「ブラームスの辞書」でしばしば話題にしてきたが、バッハの諸作品もシェーンベルクのターゲットになっていたのだ。バッハ作品の編曲は1922年代だ。ブラームスを編曲したのが1937年だから、バッハは小手調べだ。
実際に聴いてみる。BWV631は少々うるさい感じがする。バッハでしょ。やりすぎ感が払拭されないまま終わってしまう。
ところが「装え愛する魂よ」BWV654はしっとりだ。ブラームスのop122-5と同じコラールである。ブラームスのオルガンで聴き慣れた旋律が巧妙に装飾されている。独奏チェロが大活躍だ。ブラームスのピアノ協奏曲第2番を彷彿とさせる。予想外のグロッケンシュピールが、はっとする程効果的に用いられている。良い。
8月21日の記事「BWV654」で、バッハ、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームスが、みな、たった1つのコラールを見つめていると書いた。シェーンベルクはその序列に自ら加わる資格があることをこの編曲で示したと感じる。
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<mayoneko様
おお。お持ちでしたか。
編曲物は、楽しいですね。
投稿: アルトのパパ | 2008年9月 2日 (火) 05時08分
多分あるとぱぱのお持ちのものとは違うレーベルだと思いますが、同じ組合せのものを私も持っています。
「聖アン」がお気に入りで良く聴きましたが、他の小品も味のある編曲だと思います。
もちろん、ピアノ四重奏曲も
投稿: mayoneko | 2008年9月 1日 (月) 21時52分