交響曲の中のトロンボーン
次女がトロンボーンを始めたせいで、私もこの楽器に興味を覚えるようになった。ブラームスを論じる際の切り口が一つ増えたという感じがする。
ブラームスの交響曲には4つ全てにトロンボーンの出番がある。しかし全部の楽章でべっとりと出番のある弦楽器と違ってトロンボーンの出番は限定的だ。
- 第1番 第4楽章のみ。待っただけのことはある47小節目のコラール。
- 第2番 第1楽章、第2楽章と第4楽章。第4楽章の353小節のコラールはヴィオラの3連符の刻みとのからみが絶妙だ。ラストの1番トロンボーンに現れるハイノートも心地よい。
- 第3番 第1楽章、第2楽章と第4楽章。
- 第4番 第4楽章のみ。113小節目からのコラールは世界遺産級。273小節目もカッコいい。
見ての通り出番が第4楽章に集中している。それから第3楽章には一切用いられない。
トロンボーン奏者のモチベーションは、ブラームスの交響曲においてどう保たれるのか興味がある。後期ロマン派には出番満載の曲が多いから、吹き甲斐という意味でブラームスは分が悪いのではないかと推察する。ヴォオラ弾きの立場からすれば満を持して現れて、おいしいコラールを決めて行くように見えるが本当のところはどうなのだろう。少ない出番がおいしいというのは心構えとしてどうなのか興味がある。
次女がやがてオケに転じてブラームスを吹くようになったら訊いてみたい。けれども出番のない楽章でヴァイオリンを弾くなどということは許されざるわがままである。
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コメント
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Ludwigさま
いらっしゃいませ。うらやましい悩みでごさいます。
投稿: アルトのパパ | 2019年2月22日 (金) 17時00分
アマオケの初級トロンボーン奏者です。次回メイン曲がブラームス1番になりそうで戦々恐々状態(40数分の曲なのに出番が50小節足らず) 同じブラームスでも4番選んでもらえないか思案中ですが、人気の差は歴然。
投稿: Ludwig | 2019年2月22日 (金) 13時39分