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2008年11月10日 (月)

調性の確定

作品を特定する場合、ジャンル名に調性の名前を添えるケースが多い。

「ハ短調の交響曲」「ハ長調のソナタ」という具合である。

このとき添えられる調の名前は作品の冒頭の調であることが普通だ。作品の冒頭でいきなりガーンと主和音が鳴らされる場合は世話無しなのだが、楽譜に書かれた調号と、実際に鳴る調が違っている場合がある。このとき調の名前としてはどちらを採用するのだろう。あるいはその採用に決まりがあるのだろうか。

  • ピアノ協奏曲第1番の冒頭だ。フラット1個の調号でDが派手に鳴らされて、ニ短調を予見させるが第一ヴァイオリンが発する変ロ音によって混乱が生じる。
  • 第一交響曲の冒頭はフラット3個だ。冒頭は「C」音しか無いのだがハ短調と呼びならわされている。
  • 同じく第一交響曲の第4楽章は冒頭こそフラット3個だが、ほとんどの瞬間がハ長調だ。この第4楽章は、はたして「ハ長調」と「ハ短調」とどちらと呼ばれるべきなのだろうか。
  • 弦楽六重奏曲第2番はシャープ1個のト長調だ。旋律の3小節目で「H」音に付与されるフラットが判断を難しくしているがもっぱらト長調と呼びならわされている。
  • 同じく弦楽六重奏曲第2番の第4楽章だ。調号はシャープ1個でト長調という名目だが、冒頭で鳴るのはイ短調である。
  • ピアノ三重奏曲第1番第4楽章。シャープ2個でロ短調ということになっているが、冒頭では、ト長調っぽい感じがする。
  • 交響曲第4番第4楽章もシャープ1個のホ短調と思われるが、冒頭はイ短調だ。

どうも楽譜上の調号が優先されているような気がする。個体識別が出来ればそれでよしという立場なら問題は無いが、私のように作品の調性の数を調べようと言う段になると途端に悩ましい。調の微妙なうつろいが売りのブラームス作品で、調を数えるのは無謀な試みだ。せめて作品の冒頭の調性を数えることでお茶を濁したいのだが、実際にはそれさえも難しいケースが多い。

しかし、それは私のブラームスラブの妨げにはならない。むしろブラームス節の根幹だという位置づけだ。

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