歌曲の曲順
ブラームスは約200曲の歌曲を38の作品番号に分けて出版している。作りだめした作品を適当な数取りまとめて出版していたと思われる。その取りまとめ方に何らかの規則性や意図がありはしないかというのが本日のお題である。
一般的なアーティストがリリースするアルバムは、収録する曲もさることながら、その曲順にも十分な配慮がされているのが普通である。たとえばビートルズの「Yesterday」は、「Help」というアルバムに収められているが、これだけの名曲でありながら、B面ラストから2曲目という地味な位置に置かれていた。また「A hard day's night」のA面は曲順が絶妙である。
- A hard day's night
- 恋するニ人
- 恋に落ちたら
- 素敵なダンス
- And I love her
- Tell me why
- Can't buy me love
この順番丸ごと世界遺産にしたいくらいである。
ブラームスの歌曲のとりまとめ方に意図は無いのだろうか?「ティークのマゲローネのロマンス」op33はストーリー性があって当然である。この手のチクルスは別格としての話である。
私にとってビートルズの「A Hard days night」に匹敵するのが、作品86の6曲だ。
- テレーゼ Therese
- 野の寂しさ Feldeinsamkeit
- 夢に遊ぶ人 Nachtwandler
- 野を渡って Uber die Heide
- 沈潜 Versunken
- 死への憧れ Todessehnen
ブラームスに積極的な意図があったとは思えないが、この並びは美しい。
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