偶然の裏側
一見偶然に見えている事柄の裏に必然が横たわっていたということがままある。
偶然と思っているのは単に私の知識が足りていないだけということは、きっと多いのだろうと思う。「尾を咬む」はその劇的な一例だった。オロボロスが話し手と聞き手の間に共通理解として存在するからこそ、「尾を咬む」という比喩が生きてくる。どうやらドイツでは常識かもしれない。
マウリッツ・コルネリウス・エッシャーという人がいる。1898年オランダ生まれの版画家だ。騙し絵で名高いが普通の風景画もかなりのものだ。騙し絵の最高峰「物見の塔」「滝」にも匹敵するのが「ドラゴン」だ。蛇ならぬ竜が自らの尾を咬む構図になっている。さらにこの人の最後の作品は蛇がモチーフになっている。おそらくエッシャーもオロボロスを知っていたと考える方が自然だと思う。オランダでも浸透していたようだ。
さてショパン。「子犬のワルツ」という作品がある。ジョルジョ・サンドの飼い犬の動きを見て着想されたと言われている。その犬は自分の尾とじゃれあっていたらしい。まさか尾を咬むためではあるまいな。
「ブラームスの辞書」が「お叱り覚悟」と言い訳しながら延々と偶然を追い求めるのは、100個偶然を集めると1個必然がもらえるからだ。
昨日その1個をもらえた。
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<魔女見習い様
ありがとうございます。
昨日のは久々の収穫だったので、よろこびもひとしおです。
投稿: アルトのパパ | 2009年2月 4日 (水) 18時25分
よかったですね♪♪
投稿: 魔女見習い | 2009年2月 4日 (水) 17時47分