オフィーリアの歌
「Ophielia Lieder」とタイトリングされた5つの独唱歌曲である。1873年の作品だがブラームスの生前には出版されなかった。1933年にガイリンガーの手により陽の目を見た。
テキストはかの名高いシェークスピアの「ハムレット」である。オフィーリアは主人公ハムレットの恋人の名だ。
テキストの悲劇ぶりを反映して全体に陰鬱な響きに満ちているが、中央に位置する第3曲だけがト長調の明るい束の間を約束する。
何とこの第3曲は「聖ヴァレンタインの日」を歌っている。聖ヴァレンタインははるか昔の聖人の名で、恋人たちの守り神だという。
現代日本では中元歳暮に次ぐ第3の贈り物市場を形成するに至っている。
本日ヴァレンタインネタを発信するブログは少なくないと思うが、ブラームスにヴァレンタインネタがあったという話はそう多くあるまい。
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