悪知恵
伝ブラームス作「トランペットまたはホルンのための12のエチュード」の楽譜を入手したことは既に書いた。このところ毎日にらめっこしている。
- Moderato 4分の4拍子 変ロ長調 31小節
- Marziale 4分の4拍子 ハ短調 34小節
- Andantino 8分の12拍子 変イ長調 33小節
- Andante 4分の4拍子 変ニ長調 33小節
- Adagio 4分の4拍子 ト長調 34小節
- Allegro vivace 8分の6拍子 変ロ長調 83小節
- Allegro 4分の3拍子 ニ長調 89小節
- Moderato 8分の3拍子 イ長調 76小節
- Maestoso 4分の4拍子 ホ長調 50小節
- Allegro 8分の6拍子 ホ長調 92小節
- Moderato 4分の4拍子 ロ長調 54小節
- Allegro 4分の2拍子 変イ長調 72小節
こうして1番から順に概要を書きとめるだけでもワクワクする。2番冒頭を飾る「Marziale」という用語はブラームス作品ではここ以外に存在しない。
素朴な疑問が一つ。この楽譜はinBだろうかinFだろうか?トランペットまたはホルンのためのエチュードなのだからそれらの楽器が移調楽器であることは、どのように織り込まれているのだろう。
私の考えはinCだ。
手元の楽譜は、マッコークルの譜例と完全に一致する。マッコークルは移調楽器のものであっても譜例は全てinCで実音を記している。そのマッコークルと同じということはすなわちinCだと思う。また4番までの作品はB管またはF管で吹くとフラットが減る調だ。
しからばとばかりにいたずらを思いついた。
これをヴァイオリンで弾くのだ。12曲全てを見渡しての最低音は5番ト長調の最後の音として出現するGだ。ヴァイオリンのG線開放弦の音である。最高音は3番変イ長調の17小節目に一度だけ現れるCだ。五線の上に2本仮線を加え、その2本目に串刺しにされる音だ。つまりヴァイオリンの第一ポジションでほぼ出せる音から出来ているということだ。
これがなかなか面白い。規模は小さいながらも音楽作品としての起承転結がキチンと設定されている感じだ。
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