大雑把
「細部にこだわらず全体を大きく捉える様子」くらいの意味。「細かいところに注意が行き届かない」というようなネガティブな意味のこともある。
2月11日の記事「ドイツ史」で、ドイツ史の入門書でも探そうかという程度のぬるい決意を表明した。その後いくつか入門書を手にとってみた。
良い本に巡り会った。「ヒストリカルガイド-ドイツ・オーストリア」(山川出版社)という本だ。
ドイツ史のド素人がゼロから基礎知識を吸収するという目的に照らして、ピッタリのはまり方だ。実はこの本ドイツ史の売り場にあったわけではない。ドイツ観光系の売り場だった。コンセプトは「せっかくドイツを訪れるなら、歴史の知識も仕入れておきましょう」というものだ。どちらかというと重心は観光にある。ドイツとオーストリアは切っても切れぬと位置づけていることもブラームスネタ目当ての私にはありがたい。
読み始めてすぐにこの本のもう一つのキーワードに気付く。それが本日のお題「大雑把」である。最初の10ページの間に「大雑把に言えば」とか「大づかみに申せば」という表現が大挙して現れる。細かいことはおいといて全体像をサクッと伝えることに徹しているのだ。初心者にとってこれが大変ありがたい。この調子が200ページ以上続く上に要所にきれいな写真が配置されていて1800円とはお値打ちだ。
最初に言及されるのがドイツの地勢だ。南高北低と位置づけ、さらにライン、ドナウ、エルベ、オーデルの4つの河川とその支流を切り口にドイツを4分割してみせる。この手口の鮮やかさは特筆物だ。愛すべき大雑把である。
ブログ「ブラームスの辞書」もこうありたいと思う。これだけ重箱の隅をつつくようなネタを連ねながら大雑把も無いものだが、「急所を押さえた大雑把」というのは優秀なコンセプトだとつくづく思う。トンチンカンな切り口でバッサリやるのは単なる恥さらしになるから、注意も必要だが、こうした方向性だけは見失わずにいたいものだ。
<魔女見習い様
やっぱり。
高校の教科書の出版社なんぞ忘れておりますが、子供たちに見せてもらいます。
投稿: アルトのパパ | 2009年3月24日 (火) 06時44分
<ひふみ様
おぉお。定評がありましたか。適当に選んだ本ですが、運を使った感じでございます。
投稿: アルトのパパ | 2009年3月24日 (火) 06時40分
山川出版社は、やはり良さそうですね。
思わず高校の歴史の教科書を思い出してしまいました。
ブラームスが生まれるずっと前の時代のヨーロッパ史が好きでした。
ドイツ史は・・・ドイツ史は……ハテナ?
投稿: 魔女見習い | 2009年3月24日 (火) 00時55分
山川出版社の地理や歴史の本は定評がありますし、
何よりあの出版社のコンセプトが素晴らしいと思います。
私も何か地理や歴史の本を選ぶとすれば、
その出版社のものを選びますし、お薦めします
投稿: ひふみ | 2009年3月23日 (月) 23時10分