Gaudeamus
「だから愉快にやろうじゃないか」とタイトリングされる学生歌。13世紀ボローニャでの成立らしい。
私の高校1年か2年の頃の話をする。
音楽の時間に、先生が手刷りの楽譜を配って歌を教えてくれた。タイトルは「学生歌」だった。「ドイツ民謡」とされていた。歌詞は「我が行く道は遙けき彼方」とはじまっていたと思う。
配られた楽譜はとっくの昔に紛失しているが、歌詞はよく覚えている。ガチガチのベートーヴェン少年だったから、ドイツ民謡というだけでワクワクして曲が気に入ったのだと思う。ずっと口ずさんでいた記憶がある。
時が流れ大学2年の春になった。大学に入って始めたヴィオラも2年目にさしかかり2度目の演奏会の準備が始まった。ベートーヴェンの英雄交響曲をメインに据えた演奏会のオープニングがブラームス大学祝典序曲になった。当時まだベートーヴェン大好きでブラームスへの極端な傾斜も見られなかった私は、英雄交響曲の個人練習に夢中で、明らかにブラームスは準備不足だった。ロクにレコードも聴かないまま臨んだ初めての全体練習が、大学祝典序曲のラスト「マエストーソ」にさしかかって驚いた。
高校時代に歌った学生歌の旋律そのままだった。実は大学祝典序曲の最後を飾るこの旋律こそが、本日のお題「Gaudeamus」である。「ドイツの学生歌」として日本に入ってきたのだが、最古の大学都市ボローニャに由来する歌だったのだ。
本日、長女念願の高校入学。だから愉快にやろうじゃないか。
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コメント
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みせすさま
いらっしゃいませ。
昔の記事にあたたかなコメントありがとうございます。
大学祝典序曲がんばってください。
投稿: アルトのパパ | 2017年12月 7日 (木) 07時01分
はじめまして、かなり前の投稿ですが並々ならぬ縁を感じましたのでコメントさせていただきます。
わたくし大学オケでビオラを弾いている者なのですが、実は次の演奏会でトップとして大学祝典序曲に乗ることになりまして、曲について勉強するうちこのブログに巡り会いました。
本当に細かいところまで研究なされていて読むに目から鱗であります。
少しでもアンサンブルにこのブログの知識を散りばめられたら良いなと思っております。
投稿: みせす | 2017年12月 7日 (木) 06時27分
<魔女見習い様
ありがとうございます。
一言多いところが私に似ています。
投稿: アルトのパパ | 2009年4月 8日 (水) 18時08分
ご長女さまの高校入学、おめでとうございます!
アルトのパパさんに似て頭脳明晰なお嬢様。
ますます楽しみですね♪
投稿: 魔女見習い | 2009年4月 8日 (水) 10時35分
<ひふみ様
ありがとうございます。
生意気盛りがフォルテシモでございます。
投稿: アルトのパパ | 2009年4月 8日 (水) 06時58分
クララに勝るとも劣らぬ素晴らしいお名前のご長女さんの、高校ご入学おめでとうございます。
第一志望に見事合格との由、これからの3年間が有意義で充実した高校生活でありますようにお祈りいたします。
投稿: ひふみ | 2009年4月 8日 (水) 00時02分