カンタータの備蓄
バッハの残した教会カンタータの数のお話だ。約200が現存するが、300はあったはずだとされ100が散逸したというのが定説である。その300の根拠が本日の話題である。
バッハが勤め上げた教会のカントルの仕事は、教会の祝日にカンタータを提供することが含まれる。教会の祝日は教会暦で細かく定められており、その日ごとの意味がある。ミサではその祝日にふさわしいカンタータが演奏された。たいていは年間59日だ。年59種のカンタータに自作を供給するのが責務だ。バッハの死後作成された故人の業績を記した書物には、バッハは5年分のカンタータを書いたとされている。年59作が5年分で約300という計算だ。ライプチヒ時代のカンタータはこの教会暦に忠実に作られ、最初の2年はほぼ完璧らしい。職務とはいえ凄いペースだし、それでいてあの多彩さには驚くばかりだ。3年目以降ペースが落ちる。旧作の改訂でつなぐことも多くなる。
ブログ「ブラームスの辞書」の記事の備蓄はようやくその2年分に達した。あれだけのカンタータを毎週生み出し続けたバッハには及ぶべくもないが、記事の備蓄なりの苦労もある。カンタータの備蓄と違って毎日1本減ってしまうから、数値を維持するには一日1本の記事を思いつかねばならない。ブログを始めて4年の間に、6年分の記事が書けたことになる。このペースが維持できれば、2025年には2035年までの記事が書ける計算だ。目標の2033年5月7日までの記事なら、達成はもう少し早まるハズだ。
今はやれそうな気がしている。
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